長崎日大の百武 貴重な一発 中押し点で勝利に貢献 第104回全国高校野球長崎大会 第7日

【3回戦、清峰―長崎日大】4回裏長崎日大無死、百武(右)が左越えに本塁打を放ち今村とハイタッチ=県営ビッグNスタジアム

 目の覚めるような一発だった。2-0の四回、長崎日大の百武が引っ張ってソロ本塁打。清峰を突き放す貴重な中押し点を挙げた。チームはその後に追い上げられたが、逃げ切って8強に進出。身長182センチの右のスラッガーは「勝ちに貢献できてよかった」と表情を緩めた。
 この回、先頭で打席に立った。「何とか出塁」と思った初球、内寄りの直球に自然とバットが出た。打球はぐんぐん伸びて左翼席へ。リードはしていたものの、ここまで毎回得点圏に走者を背負うなど苦戦ムードも漂っていただけに、ベンチは盛り上がった。
 郡中時代から長崎北リトルシニアで硬式球を握り、高校1年秋から主軸を任された。今春の選抜は6番二塁でフル出場。大観衆に見守られる中でのプレーは心に残り「あの場所に戻りたい」と思いを強くした。
 だが、その後に調子落ち。部内競争が激しくなる中で、春の九州大会は2桁の番号を背負った。それでも「1球で仕留める意識を高める」とさらに努力を重ねて、NHK杯から背番号4を取り戻した。
 初戦は3安打、この日は本塁打と結果を残した。次の相手は波佐見-島原工の勝者。「自分は打ってこその選手。さらに投手のレベルが上がる中でも、チームを乗せる一打を」。全部員73人で再び聖地に戻るため、打席で集中力を研ぎ澄ませる。


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