激戦の果てに 参院選新潟選挙区回顧〈上〉組織一丸で議席奪還 小林氏

 第26回参議院議員通常選挙は10日に投開票され、有権者の審判が下った。現職1人、新人3人の計4人が立候補した新潟選挙区(改選数1)では、自民党新人の小林一大氏(49)が、4選を目指して臨んだ立憲民主党現職の森裕子氏(66)らを退け初当選。与党の至上命題だった「議席奪還」を果たした。県内外から注目された同選挙区の激戦について、事実上の一騎打ちを繰り広げた小林氏、森氏の両陣営の動きを中心に振り返る。

 小林一大氏(49)は県議会議員を4期務めた実績を引っさげ、自民党の公認を得て出馬。「強い経済」「子育て、教育施策の強化」など八つの政策を掲げ、「ふるさと新潟の未来をつくる」を信念に選挙戦を走り抜けた。
 1人区になって以降2回の新潟選挙区で、同党の勝敗は0勝2敗。「保守王国新潟」復活へ、政権与党である自民・公明両党が全面的に小林氏を支援した。与党系の議員、県議や市議らの応援を受けて県内を巡り、街頭演説や街宣車からの声掛けを実践。時に趣味であるランニングで街宣を行い、支持固めに文字通り汗を流した。
 上越3市へは6月23、28、29日、7月6日に街宣。傍らには自民党県第6選挙区支部長で県連会長の高鳥修一衆院議員が常にいて、国政選挙初挑戦の小林氏を導いた。6月23日の上越第一声では安倍晋三元首相が応援に駆け付け、「政策を進め法律を作る戦力となる小林さんを国政の場に送ってほしい」と支持を訴えた。
 最終盤に安倍元首相が凶弾に倒れ、波乱含みとなった本参院選。迎えた投票日では、締切の午後8時を回った直後に一部のテレビ局が「当選確実」を報道。小林氏らは安倍元首相へ黙とうをささげ、勝利を届けるべく高らかに万歳三唱した。
 結果的に対立候補の森氏に7万票近い差を付け当選した小林氏。7月13日には県選管より当選証書が付与され、「票の重みを感じている。ふるさとの活性化に向け頑張りたい」と決意を示していた。

上越第一声では安倍元首相が応援演説。小林氏の実績と人柄を大いに評価した(6月23日夕、上越文化会館前)

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