激戦の果てに 参院選新潟選挙区回顧〈中〉「野党共闘」に出遅れ 森氏

 第26回参議院議員通常選挙は10日に投開票され、有権者の審判が下った。現職1人、新人3人の計4人が立候補した新潟選挙区(改選数1)では、自民党新人の小林一大氏(49)が、4選を目指して臨んだ立憲民主党現職の森裕子氏(66)らを退け初当選。与党の至上命題だった「議席奪還」を果たした。県内外から注目された同選挙区の激戦について、事実上の一騎打ちを繰り広げた小林氏、森氏の両陣営の動きを中心に振り返る。 

 「どうやったら勝てるんですかね、野党は」。森裕子氏(66)の選対本部長を務めた立憲民主党県連代表の菊田真紀子衆院議員は投票日の夜、報道機関に率直な気持ちを語り、肩を落とした。
 森氏が3選を果たした2016年選挙と同様に「野党共闘」で臨んだ大一番。議席奪還を誓う自民党県連の「切り札」小林一大氏(49)との事実上の激しい一騎打ちの末、小林氏に約7万票差で敗れ、涙をのんだ。
 公示日に〝上越第一声〟を行うなど精力的な支持固めを行った上越地域での得票数も、上越3市(上越、糸魚川、妙高)で小林氏を下回った。知名度で勝る森氏だったが、最終的には水を開けられる結果となった。
 岸田文雄首相の選挙期間中の2度にわたる新潟入りなど、小林氏陣営が「議席奪還」に向け総力戦を展開した一方で、森氏陣営の「野党共闘」は万全なスタートダッシュとはいかなかった。本選挙の前哨戦との見方もあった5月の知事選で、野党の対応が分かれたことも響いた。
 社民党県連代表の小山芳元県議は、「最初から一体となって動ける体制づくりが必要。選挙が進むにつれてまとまってきたが、その辺の足腰がちょっと固まらなかったと思う」と見る。野党共闘の在り方について「より一層、まとめる方向にいかなければならない。巨大政党、自民党に対抗するには、政治信条や政策に多少の違いがあっても乗り越え、結集しなければ」と今後を見据えた。

公示日に〝上越第一声〟を挙げる森氏ら。上越地域3市の得票率も小林一大氏を下回った(6月22日夕、上越市かに池交差点)

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