上越市本町1の春日神社で18日、上杉謙信ゆかりの行事「御剣祭南方位山(なんぼいさん、なんぽうさん)」を発信するイベント「起源式」が行われた。
毎年7月22、23の両日に開かれる南方位山は剣に巻き付いた竜「倶利伽羅不動尊」の御旗(みはた)を携えて妙高山を登山し、ご来光を拝んで豊作や家内安全などを願う。御旗は上杉謙信が描かせたもので、御旗を携えることで謙信の代わりを務める意味を持つ。
450年超の歴史を持つ伝統行事や御旗が同神社氏子に伝わる経緯などを学び発信することを目的に、今年4月に地元有志による研究会「春日町に根付く謙信公研究」が発足。今回の起源式は同研究会が主催し、地域に南方位山を知らしめることを目的とした。
式では倶利伽羅不動尊や南方位山の由来を紹介。今年製作した御旗のレプリカがお披露目された。メーンイベントとして一義会による武禘式(ぶていしき)を実施。武禘式の途中で南方位山登山者が登山前の報告に本陣を訪れ、上杉謙信から激励される一幕もあった。
同神社の大島美香宮司は「一人一人が意味、歴史を学ぶことが、後世につながるきっかけとなる。今年の南方位山が盛大にできそうでありがたい」と話していた。