〈じょうえつレポート〉快適な仕事環境を整備 テレワーク研修交流施設 国立公園内に立地 起業しやすい支援も 妙高市

 妙高市関川の妙高戸隠連山国立公園内に7月1日にオープンしたテレワーク研修交流施設。時間や場所にとらわれない働き方を支援する拠点になっている。時代に合った妙高ならではの仕事環境を整えたといい、市内外にPRしている。(報道部・伊部正之記者)

 施設は「MYOKO BASE CAMP」が愛称となっている。関係人口の創出・拡大事業の一環として、市が1億5000万円を掛け、いもり池周辺の市有地に整備した。

 木造2階建てで延べ床面積は388平方メートル。仕事場を共有するコワーキングスペースを1、2階に配置した。事前予約なしで最大35人が同時利用でき、30分100円からとなっている。

 利用した編集職の男性(30、長野県軽井沢町)は「周辺の雰囲気と建物がマッチしている。開放感があって、働いていて気持ちいい」と話した。

 2階にはさらに、申し込みをして月単位から利用できるシェアオフィススペース(固定8席)、ワークスペース(個室2室)を配置した。月額でシェアオフィススペースは1席2万円、ワークスペースは1室1万8000円。

 市企画政策課によると、長野県などにある同様施設を参考に料金設定した。

 施設について市は、Zoom社と連携した国内初の公共施設としている。協定を結んでいる同社の監修で机、椅子、ビデオ会議用の機器などを導入し、快適な通信環境や最高レベルのセキュリティーを確保したという。

 起業しやすい環境づくりとして、施設利用による法人登記や住所で使うことも可能となっており、既に引き合いがある。

 指定管理者は妙高ツーリズムマネジメント(観光地域づくり法人)。「利用者の声を運営に反映したい」としている。

 1階のコミュニティスペースにカフェが併設され、ハーブティーや発酵ジェラートなどが提供されている。

1階コワーキングスペースでテレワーク。窓の外は緑が広がる

◇仕事と休暇を両立 自然豊かで首都圏近く ワーケーション受け入れ「適地」

 旅先で仕事と休暇を両立するワーケーション。リフレッシュできる自然環境や、首都圏との距離の近さなどにより、妙高は受け入れの「適地」とされている。7月15日から、じゃらんネットに、宿泊施設16軒のワーケーションプランが掲載されている。

 特集ページでの掲載を通じ、宿泊客の増加を図るとともに、妙高ワーケーションやテレワーク研修交流施設の利用ニーズを探っている。

 16軒は同法人の呼び掛けに応え、それぞれプランを作ったといい、特典で共通ラウンジ券を付けた。

 ニーズ把握ではファミリーを参加対象としたモニターツアーも事業化。8月17~20日の3泊4日で行うことにしている。

 一方、新施設を起点としたアクティビティとして8月1日から、スポーツタイプの電動アシスト自転車(E―BIKE)の貸し出しを始める。妙高高原を周遊するモデルコースを提案する他、自転車に乗って温泉地を巡ってもらうことを計画している。

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