<高校野球>創部99年、部員21人の所沢 8回に逆転許すも執念のサヨナラ勝ち 35年ぶり16強進出

所沢―川口青陵 9回裏所沢1死一、二塁、同点の中前適時打を放った古家が一塁ベース上で喜ぶ=市営浦和

 春の西部地区代表決定戦で逆転負けを喫してから「終盤に強いチーム」をテーマに臨んだ今夏。粘り強く攻めの姿勢を崩さないプレーが土壇場で勝利を手繰り寄せた。

 八回に逆転を許して3―4で迎えた九回、先頭小畑の安打と土屋の四球で1死一、二塁の絶好機をつくり出す。バットを構えた主将の古家は「(相手投手は)この場面で厳しいコースには投げたくないだろう」と、真ん中に入った初球の直球をフルスイング。打球は中前同点適時打となり、流れを一気に引き寄せた。攻撃は続き、2死ながら満塁の場面を築くと、本山が絶妙な選球眼で四球を選びサヨナラで試合を決めた。

 1987年の第69回大会以来、35年ぶりの16強進出の快挙に滝沢監督は「甘い戦いではないと覚悟していたが、勝てると信じていた」と、勝負強さを発揮した選手をたたえた。

 野球部は来年、創部100周年を迎える。指揮官は「部員が21人と決して多くない中、長い歴史の先人であるOBの熱心なサポートに感謝しながら、1試合でも多く勝つことで恩返しをしたい」と意気込んだ。

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