リニューアルを進めている広島市現代美術館では、休館している間、作品を学校に貸し出して、子どもたちに鑑賞をしてもらう取り組みを行っています。広島市の中学校には、鑑賞者のメッセージと一緒に展示することで1つの作品となるオノ・ヨーコさんの作品が完成し、展示されています。
作品が展示されているのは、広島市安佐北区の清和中学校です。オノ・ヨーコさんは、亡くなったジョン・レノンさんの妻で、「愛と平和」のメッセージを発信し続けるアーティストです。
「マイ・マミー・イズ・ビューティフル」は、オノ・ヨーコさんが2011年に「第8回ヒロシマ賞」受賞した際の記念展で発表された鑑賞者参加型の作品で、今回の作品づくりにはおよそ200人の生徒が参加しました。
生徒たちのお母さんへの思いや平和を願う気持ちを書いたメッセージカードが、オノ・ヨーコさんの詩とともに掲示されました。
先月上旬、休館中の広島市現代美術館から学校へ貸し出されたあと、美術の授業では現代美術館の学芸員が参加し作品についての理解を深めるワークショップをしたほか、メッセージ用のカードは生徒が手作りし、作品を完成させたということです。
清和中学校 1年 金山愛衣李さん
「(メッセージ用の紙は)やさしい感じの色を選んだ」
清和中学校 3年 山本陽菜さん
「1枚目は家族への感謝のメッセージを書いて、2枚目は戦争がなくなればいいなという願いを込めて書きました」
広島市立清和中学校 美術科 山口恵教諭
「美術というものが絵画とか彫刻だけではなくて、自分の考えなどを人に伝える1つのツールになるということを感じてくれたのでは」
オノ・ヨーコさんの「マイ・マミー・イズ・ビューティフル」は27日まで展示され、21日と22日の2日間、保護者に公開されることになっています。
展示期間中は、中学生学芸員として生徒たち自身が作品を管理するということです。