栃木県内2日連続最多1805人感染 自宅療養者もピーク上回る 新型コロナ

栃木県内の新型コロナウイルス感染者数(21日発表分)

 栃木県内では21日、新型コロナウイルスの新規感染者が計1805人確認され、2日連続で過去最多を更新した。自宅療養者(療養先調整中含む)も過去最多の計8214人となり、今後1万人を超える可能性もある。保健所業務が逼迫(ひっぱく)した第6波の教訓を踏まえ、県は軽症や無症状の自宅療養者の健康観察を外部委託するなどの負担軽減策を始めたが、かつてない感染急拡大の中で手探りの対応を迫られている。

 県内の累計感染者数は10万5804人となった。また、救急搬送されて18日に死亡した20代男性1人の陽性が判明し、県内の死者は計284人となった。

 新規感染者は10歳未満~100歳以上の男女。40代以下が78%を占め、最多の20代が321人、30代が300人、10代が285人、40代が282人などと続く。

 高齢者施設でクラスター(感染者集団)が2件発生し、鹿沼市内で職員1人と入所者5人、真岡市内で職員2人と入所者8人が感染した。

 自宅療養者は6月30日には667人だったが、7月6日には千人を超え、その後の2週間で約8倍に増えた。これまでは第6波のさなかにあった2月11日の7318人が最多だった。

 保健所の負担軽減に向け県は19日から、電話で行ってきた陽性者への初回連絡を、県感染症対策課が患者の携帯電話のショートメールに連絡するよう切り替えた。

 メールでは健康状態などを入力する国のシステム「My HER-SYS(マイハーシス)」の活用を促し、回答の催促や確認などは県が委託する業者が12日から運営する「フォローセンター」が担う。重症化しやすい高齢者や持病がある人などには従来通り保健所が電話し、体調悪化を見逃さないようにしている。

 同センターによる健康観察は、現時点で自宅療養者全体の約4割にとどまるという。慣れている電話での健康観察を続ける保健所もあることなどが理由で、県は同センターへの委託を求めている。

 発生届をファクスで提出する医療機関が多いことも初回連絡の遅れを招いており、国の感染者情報共有システムの利用を促す。

 21日時点の入院者157人、宿泊療養者403人、重症者1人。

 【21日の市町別感染者数】

 宇都宮市616人、小山市162人、栃木市123人、那須塩原市113人、足利市102人、鹿沼市84人、佐野市76人、日光市、真岡市各64人、下野市54人、大田原市、壬生町各46人、さくら市32人、高根沢町31人、矢板市22人、那須烏山市20人、益子町、芳賀町各18人、上三川町、市貝町各16人、那須町、那珂川町各10人、野木町、塩谷町各7人、茂木町6人、県外等42人

県内の自宅療養者数の推移

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