不登校の子どもたちに居場所を 津山にフリースクール29日開校

フリースクールの津山キャンパスが29日に開校する複合施設=津山市二階町

 不登校の子どもたちのためのフリースクールが29日、津山市二階町の複合施設「INN(イン)―SECT(セクト)」内に開校する。新型コロナウイルスの影響などで全国的に不登校の児童生徒が増加傾向にある中、居場所となる環境を幅広く用意するのが狙い。立地を生かし、コワーキングスペース利用者との交流も進める。

 教育事業を手掛け、岡山市で昨年9月から「無花果(いちじく)もえぎ フリースクール」を運営している「コノテ」(同市)が津山キャンパスとして展開。3階のコワーキングスペース(共有オフィス)に毎週月、木曜の正午~午後5時に開く。スタッフ1人が常駐し、利用者は勉強のほか絵や料理、ゲームなどをして過ごす。七夕やクリスマスにはイベントも開催。保護者を含めた悩み相談にも応じる。

 小学生~高校生が対象。随時入学でき、利用料は週1回で月額2万2千円。開校後は要望に応じて開設日を増やすほか、高卒資格が得られる広域通信制課程のサポート校としての運営も目指す。

 今月から月、木曜の正午~午後5時に無料の相談、体験会を行っており、29日もインセクトで午後6時半からコロナ禍の学校や不登校の状況について参加者と考えるワークショップ(無料)を開く。

 無花果もえぎは、高校時代に不登校を経験した中藤寛人さん(25)が代表を務め、小学1年~高校3年の約20人が継続的に利用。津山キャンパスは、岡山市での運営実績や地方でのフリースクールのニーズの高まりを踏まえ、津山市出身の山田邦明社長(37)が全国展開も視野に開設を決めた。

 山田社長は「不登校の問題は通えたり、相談したりできる場所がないため、本人や家族が苦しい思いをするケースが多い。悩んでいる子どもたちが笑顔になる場所にしたい」と話している。

 問い合わせは中藤代表(070―2354―5914)。

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