大水害から40年 教訓、次世代に 長崎で防災フェス

「ぼうさい7ならべ」に取り組む親子ら=長崎市、出島メッセ長崎

 299人の死者、行方不明者が出た1982年7月23日の長崎大水害の記憶を伝承し、防災意識を高めようと16日、長崎市尾上町の出島メッセ長崎で「ながさき防災フェスタ」が開かれ、家族連れなどがパネル展示やワークショップで防災について学んだ。
 市が主催し、自衛隊長崎地方協力本部や長崎海上保安部などが協力。大水害から40年の節目としてイベントを開催した。
 ワークショップ「ぼうさい7ならべ」では、水害発生時に起きる状況を7通り各4枚のカードで紹介。カードを時系列ごとにそろえ、災害の予兆と被害、どうすれば未然に防げるのかを学んだ。参加した市立小江原小5年の岩永優来さん(11)は「深い水たまりで車が走れなくなると知って怖かった」、母の依里菜さん(29)は「ゲーム形式で子どもも理解しやすそうで良かった」と語った。
 長崎大水害は写真パネルの展示や体験談の放映などで紹介。大水害当時、市消防局中央消防署で当直をしていた西岡照明さん(71)は「防災は普段、取り組みにくいと思うが必ずいつか役に立つ。市民参加のイベント開催は良いきっかけ。しっかり学んでほしい」と力を込めた。


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