福井空襲、福井地震…犠牲者悼みお堀照らす灯 福井市の住民らが設置、7月30日まで点灯

LEDの光が幻想的に広がり、市民らが鎮魂の祈りをささげた「福井城址お堀の灯り」=7月23日、福井県福井市大手3丁目

 1945年の福井空襲や48年の福井地震の犠牲者を悼む「福井城址お堀の灯り」は7月23日夜、福井県福井市の同城址で始まった。お堀の水面に浮かぶ818個の発光ダイオード(LED)の光が一帯を幻想的に照らし、訪れた市民らが静かに祈りをささげた。

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 お堀に飛び込み亡くなった人たちの鎮魂のため、同市順化地区の住民らでつくる「順化お堀の灯り実行委員会」が開いた。13回目の今年は城址周辺の欄干にも222個のLEDを設置した。

 午後5時、水面に円形に浮かぶLEDが点灯。日が沈んだ頃にはオレンジ色の柔らかな光が水面に揺れ、辺りを幻想的な雰囲気に包んだ。実行委員長の海道映諄さん(65)は「お堀は戦災、震災を乗り越えた不死鳥福井の象徴的な場所。次世代に語り継いでいかないといけない」と語った。訪れた市内の男子高校生は「戦災や震災があったことを知るいい機会。これからも続けてほしい」と話していた。

 灯りは7月30日まで。午後5~11時に点灯する。

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