コロナ陽性判明後「保健所から連絡来ない」 第7波拡大で業務逼迫、福井市では3日後ケースも

福井県内の感染状況を説明する県の担当者=7月25日、県庁

 新型コロナウイルスの流行「第7波」の急拡大で、福井県内の保健所の業務が逼迫している。特に連日300~400人台の新規感染者が発表されている福井市では、陽性者や家族の健康状態などを確認し感染後の注意点を伝える最初の連絡が感染判明の3日後になるケースも出ている。県も状況を把握しており、診断した医療機関で注意点を周知するなどの対応を検討している。

 福井新聞の調査報道「ふくい特報班(通称・ふく特)」には、陽性判定を受けた本人や家族から「保健所から連絡が来ない」との投稿が相次いでいる。

 同市の30代会社員は「病院で『保健所から連絡があるので指示に従ってください』と言われたが、3日目になっても連絡がない」と訴える。その間に妻や子どもも発熱し始めたという。子どもが感染したという別の女性も「保健所から最初の連絡があったのは陽性判定から3日後」とし、「家庭内感染を軽減するためにも、保健所の現状をオープンにするべきでは」とつづっている。

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 福井市保健企画課によると、市の各部署から保健所に応援職員を派遣し、7月22日からこれまでで最大規模の156人態勢とした。感染者の急増には追い付かず、最初の連絡までに最長3日ほどかかる場合もあるという。高齢者や基礎疾患がある人ら医療機関から要請のあった重症化リスクのある人に優先して連絡しており、同課の担当者は「遅れを取り戻すべく今後も努力する」と話す。

 県によると、県内の他の保健所は福井市ほど逼迫した状況ではないものの、陽性者への最初の連絡が翌日になるケースもあるという。対策チームは感染を診断した医療機関で、自宅での経過観察などの注意点をまとめた資料を配る対応策を検討中。「保健所から連絡が遅れても、不安を軽減する手だてを整えたい」としている。

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