長崎県産 農産物輸出額 過去最高6億2000万円 イチゴ、鶏卵が好調 2021年度

本県産農産物の輸出額の推移

 2021年度の長崎県産農産物の輸出額は約6億2千万円で過去最高だった。県によると、新型コロナウイルス感染症の影響で、航空路線の減便や海外との往来自粛など輸出環境に制限がかかる中、オンラインを活用して新たな需要も開拓。イチゴや鶏卵などが好調で、前年度から約1億9千万円増えた。
 輸出実績は、農業法人や流通関係者、県市町などでつくる「県農産物輸出協議会」を通じて把握した額。14年の協議会設立以降、実績は右肩上がりに推移。18~20年度は新型コロナの影響もあり、4億3千万円程度で横ばいだった。
 国別では輸出障壁が少ない香港が約7割を占め、シンガポール、米国が続く。品目ではイチゴの人気が高く、生食が可能な鶏卵の需要も高まっているという。長崎和牛も積極的にPRし、米ニューヨークに常時扱う指定店ができ、輸出額を押し上げた。
 渡航制限により、海外バイヤーを招いた商談会など販路拡大の取り組みができなくなる一方、従来取引のある海外バイヤーや輸出業者がオンラインを活用し、生産者と頻繁に情報交換ができるように。時期や数量など現地のニーズにより応えやすくなり、輸出量が増えたケースもあった。
 県は本年度一般会計補正予算に農産物の輸出促進事業費約670万円を計上。比較的輸出の障壁が少なく、富裕層が多いシンガポールやマレーシア向けの新規ルート開拓のほか、県内事業者向けの相談窓口を設置する予定。


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