高校野球 脅威の数字をたたき出し、甲子園に乗り込む竹下聖人(明豊3年)

「ボールがよく見える。相手ピッチャーの配球も読め、狙い通りに打てた」。明豊の主軸、竹下聖人(3年)は、全国高校野球選手権大分大会での好調の要因を振り返った。打率6割、3本塁打、12打点と圧倒的な数字を残し、2年連続の夏の甲子園出場に貢献した。

宮崎市の生目中学(前所属・県央宮崎ボーイズ)から明豊に越境入学。選球眼に優れ、広角に打てる器用な打者として1年生の頃から背番号をもらい、2021年の春のセンバツで準優勝を経験した。ただ、その後は手首やひざなどの度重なるけがに苦しむ。昨夏の甲子園ではベンチ外となり、スタンドから、1回戦で敗れた先輩の姿を見た。当時の主将に「苦しさを経験したやつは強くなれる。甲子園で勝ってくれ」と託され、奮い立った。

新チームで主軸になってからは、自分のスイングを求めた。バットの芯で捉えることを心がけ、スイングスピードを上げて強い打球を打てるように肉体改造に取り組む。今年4月に練習場に併設されたトレーニングルームでは、毎日筋力アップに取り組み、ベンチプレス100kg、スクワット180kgを上げるまでになった。ひと回り大きくなった体の筋肉を野球で使えるように調整し、夏の大会に備えた。

結果は前述の数字となって表れたが、それ以上にスイングスピードと飛距離は格段に上がり、理想のスイングに近づいたことに手応えを感じた。「甲子園で勝つために、これまで頑張ってきた。どんな場面でもチームの勝利につながるバッティングをしたい」と意気込む。「勝てば100点、負ければ0点。チームの勝利がすべて」と語るスラッガーは、2度目の甲子園での活躍を誓った。

チームの勝利に貢献した竹下聖人

(柚野真也)

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