民間事業者も一丸対応 那須烏山の豚熱、埋却作業始まる

重機を使用して始まった埋却作業=27日、那須烏山市(県提供)

 豚熱(CSF)の感染が確認された那須烏山市の大規模農場で27日、殺処分された豚の埋却作業が始まった。殺処分を含めた一連の防疫作業には、県建設業協会など県と防疫協定を結ぶ各業界団体も協力。新型コロナウイルス対策に加え、熱中症にも注意を払いながら「県民の安全、安心を地域で守っていく」と一丸となって対応に当たっている。

 県によると、埋却地は同農場敷地内の深さ4メートル、幅4メートル、長さ約2200メートルを計画しているが、現場の状況に応じて変更する。

 同協会は今回、埋却地の整備・掘削や埋設作業などで協力する。同協会烏山支部が全15社から1日計13人を交代で出して、作業を進めていく。

 同支部は3月に那珂川町の養豚場で豚熱が確認された際も協力した。一方、今回は夏場の暑さに加え、殺処分完了まで約2カ月という長丁場。同支部の阿久津太(あくつふとし)理事は「埋却作業は前回もやったので要領を得ている。ただ、作業員の健康面にどのような影響が出るか分からないので、健康管理に配慮して作業してもらう」と話した。

 このほか、県警備業協会や、県ペストコントロール協会は消毒ポイントで車両の誘導や消毒に当たるほか、県バス協会は職員の輸送などで協力している。

 県は27日正午時点で全体の10.7%に当たる5975頭を殺処分した。大規模農場と関連する同市内の別の農場では、全81頭の殺処分を終了した。

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