備前焼の岡山県重要無形文化財保持者・金重有邦さん(72)=備前市=と、2021年度の県「I氏賞」大賞に輝いたガラス作家・横山翔平さん(36)=埼玉県在住、同市出身=による2人展「場所の記憶 I 交差」(同市立備前焼ミュージアム、山陽新聞社主催)が30日、同市伊部の同ミュージアムで開幕した。9月19日まで。
築45年以上の古風な館内をアートで彩る企画。昨秋に北陸3県で開かれた工芸展に参加した縁で、ジャンルを超えてタッグを組んだ。
味わい深い器や細工物など計50点を展観。目を引くのは、2人の大作を組み合わせた作品。金重さんはドーナツ形の陶器を積み重ねた高さ約3メートルの柱など4点を並べ、そばには、横山さんの透き通った吹きガラスのオブジェ7点が絶妙な配置で寄り添っている。備前焼の素朴さと、ガラスのみずみずしさが融和した独特の世界観が広がる。
中尾貴子学芸員は「和風な館内が非日常の空間に様変わりした。ぜひ足を運んでほしい」と話している。
午前9時~午後5時。月曜休館。入館料は一般500円、高校・大学生300円、中学生以下無料。問い合わせは同ミュージアム(0869―64―1400)。