27万人登録の人気投資YouTuberが明かす不動産投資のリアル「不動産投資は投資じゃない」

初めまして、もふもふ不動産のもふ( @mofmof_investor )と言います。

以前まで私は半導体の研究開発者でした。しかしリーマンショックをきっかけに会社が潰れそうになり、「このままではいけない……」と思い、自分で稼ぐ力を身に着けるため試行錯誤し続けました。

サラリーマンをやりながら2014年に不動産投資を開始。これまでに投資総額約4億円で64室を購入してきました。地方でボロボロの物件を再生したり、都会で新築アパートを建築したり、いろいろ取り組んでいます。2015年に会社を設立。2017年にブログを開始し、2018年にYouTubeをはじめ登録者27万人まで増えました。2019年にサラリーマンを辞めて独立しました。

終身雇用や年功序列を維持できなくなった今の時代、自分の力で稼ぐことはとても大切です。この連載を通じて、多くの方に自分で稼ぐ力を身に着け、豊かな人生を送るきっかけになっていただければ幸いです。


不動産投資とは?

まず不動産投資ときいて、どんなことをイメージするでしょうか?

・地主や資産家しかできない
・不労所得
・楽して儲けられる

そういったことをよく言われがちですが、実際は全然違います。間違ったイメージを払拭すべく、不動産投資家の私が不動産投資とはどんなビジネスなのか解説していきますね!

不動産投資とは、不動産を買って人に貸し出しして家賃を得るビジネスです。

大まかな流れとしては、下記になります。

1.銀行からお金を借りる
2.マンションやアパートを買う
3.貸し出して家賃を得る
4.家賃で経費や銀行返済や修繕をする

画像:筆者作成

不動産投資は投資ではなくビジネス

不動産投資は投資で不労所得というイメージを持たれがちですが、実はこれは間違っています。

まず、不動産投資は投資ではありません。ビジネスで経営になります。「なんで?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。

たとえば株式投資は投資で、投資家は株を買うか売るかしかすることが出来ません。買った株の会社が、頑張って利益を出して成長すれば株価が上がる。投資家は株主として配当や株価の値上がりで利益を享受するという仕組みです。

一方で不動産投資はどうでしょうか? 不動産投資家は買うか売るかだけすればいい、というわけではありません。

・どの物件を買うか
・銀行融資をどのように受けるか
・入居者をどのようにして付けるのか
・どこまでリフォームして設備投資するのか
・大規模修繕はどれくらいするのか

このように、株と違って経営判断がたくさん求められます。なので不動産投資は投資ではなく、会社の経営(ビジネス)と考えています。不動産賃貸業と呼ばれています。

「不動産投資は不労所得で楽して儲かる」

そう思ってよくわからず買ったら、入居者は全然つかない、リフォーム費用がかかる、雨漏りとかトラブルで費用がかかる、売ろうと思ったら買った金額の半額でしか売れない−−そういったケースに陥る方も少なくありません。100万円とかではなく、何千万円や何億円もするケースもあり、失敗した時の金額もとても大きくなります。

そして不動産投資は決して不労所得ではありません。やらないといけない事や経営判断が沢山出てきます! 不動産投資を始めたい方は、気を付けましょう。

一方でしっかり学んでいる人にとっては、不動産賃貸業はかなり魅力的で安定しているビジネスです。人口減少とかいろいろ言われていますが、まだまだ安定した利益が出せるビジネスですし、私はこれからもずっと続けていく予定です。

不動産投資で失敗しない方法や儲ける方法など、本連載を通じて基本を解説していきますのでご安心ください!

不動産投資は誰でもできる?

不動産投資は誰でもできるのでしょうか? よく専門家でないとできないとか、地主や資産家でしかできないというイメージが持たれがちですが、これは間違っています。

2000年よりも前は地主や資産家が不動産投資を行うことが一般的でしたが、最近ではサラリーマン出身の不動産投資家がとても多く増えています。

また、全然不動産にかかわったことがないという人がほとんどです。特に専門的な勉強や資格も必要ありません。私も不動産に関係ある仕事をしていなかったのですが、本を読んで独学で不動産投資をスタートしました。周りの不動産投資家もサラリーマン出身で、全く違うジャンルから不動産投資家になっている人が多いです。

一方で不動産投資は、広い知識が必要です。広く浅くといったイメージですね。不動産の知識、法律の知識、リフォームの知識、税金の知識、銀行融資の知識、空室対策の知識などです。全部完璧に理解しないといけないわけではないのでご安心ください。それぞれに専門家がいるので、専門家と会話して話の内容が理解でき、経営者として対応を判断できれば問題ないです。

これから不動産投資を始めたいと思われている方は、しっかり勉強し、行動し続ければチャンスがあると考えています。

不動産投資の種類

不動産投資にはいくつか種類があります。どの不動産投資を行うか、非常に迷うところでもあります。代表的なものを4つ紹介します。

(1)区分マンション投資
マンションの1室を買って貸し出す方式です。1室を買うので、比較的買いやすくサラリーマンでも融資が付きやすく始めやすい特徴があります。都心部ではかなり値上がりしているので、過去に買った方は含み益になっている方も多いのではないでしょうか?

しかし、専業の不動産投資家はあまり区分マンション投資を積極的に行っていません。理由としては、以下の2つがあります。

・区分マンションは価格が高く利回りが低い(誰でも買えるので安い物件が出てきにくい)
・銀行の担保評価が低いので買い進めることが難しい

手軽に始めやすいのですが、何10室も買い進めて不動産の家賃収入でFIREしたいという方には向いていません。区分マンションだけを買い進めてFIREしている不動産投資家は、ごく少数です。

(2)戸建て投資
戸建てを買って貸し出す方法で、近年とても人気になっています。戸建ては絶対数が少ないので、入居者を見つけやすい特徴があります。土地の評価もあるので、銀行評価も区分マンションよりは高くなる傾向にあります。実需での需要も旺盛なので、売却もしやすく初心者にはお勧めです。

デメリットとしては、1棟物に比べて1軒ずつしか増えないので拡大スピードが遅いということや、区分マンションと違って雨漏りの対応や外壁塗装なども自分で行う必要があります。

(3)1棟物投資
アパート1棟やマンション1棟に投資する方法です。こちらは不動産投資の王道で、多くの不動産投資家が1棟物を買い進めています。区分マンションに比べて利回りも高い、つまり収益性が高いので、銀行融資を受けて買ったとしても毎月手元にお金が残りやすい傾向にあり、銀行の担保評価も区分マンションより高いので、銀行融資を受け続けて買い進めることも可能です。また、1棟買うことで一気に10室以上増やす事も可能で、規模の拡大も早いです。

デメリットとしては、1棟物の不動産は金額が大きいので、失敗した時の損失が大きくなります。そのため、初心者の方が何もわからない状態で行うのはお勧めしません。

(4)新築不動産投資
自分で新築のアパートやマンションを建てるという手法です。土地を探してきて、設計会社に建築プランを作っていただき、建築会社に建築してもらいます。自分で建築するため、デベロッパーの利益が載っていない原価で不動産を作ることが出来るメリットがあり、最近は人気になっています。

一方で、自分で建築するため、建築会社の倒産のリスクや、建築費の上昇、建築の遅れなどのリスクを自分で負う必要があります。

その他にも、構造(木造、鉄骨、RC)や、再生系やテナントなど、細分化するといろいろな手法があります。いろんな不動産投資がありますが、私は区分マンション以外は全て行っています。どんな物件を買ってきたのかなど、今後のコラムで紹介できればと思います!

不動産投資のメリット

不動産投資のメリットはいくつもあり、不動産投資にしかない魅力がいっぱいです!

メリット1 銀行融資を受けられること

株式投資で銀行から融資を受けることはほぼ不可能ですが、不動産投資は事業なので銀行から融資を受けることが出来ます。これが最大の魅力になります。

5,000万円のアパートを買う場合、現金で買うのなら年間100万円貯めたとして50年もかかります。50年後は何歳でしょうか? 私なら90歳以上になっちゃいます。そんなに待てないですよね。しかし、銀行融資を使えばいきなり5,000万円のアパートが買える可能性があるのです。

たとえば300万円を頭金にして5,000万円の融資を受けて、5,000万円の物件を買うこともできます。5,000万円のアパートの利回りが10%だとすると、年間500万円の家賃が入ってきます。もちろん、ここから返済や利息や税金や経費を支払わないといけないのですが、それでも非常に大きな収入になります。

このように銀行の融資を使うことで時間を節約し、規模を拡大させることが出来ます。300万円の元手で15倍以上する5,000万円のアパートを買うので、テコの原理の意味で「レバレッジをかける」といいます。

もちろん、いいことづくめではありません。5,000万円の借金を背負うことになるので、事業に失敗したら最悪自己破産の可能性も出てきます。事業なので自分でリスク判断し経営できる自信がないのならお勧めはしません。

メリット2 外注化が可能

不動産賃貸業は、大昔からあるビジネスなので、外注化の仕組みがそろっています。なので仕組化すれば大半の作業を外注化でき、ほとんど何もしなくても自動操縦できるようになります。

不動産の管理は管理会社、空室を埋めるのは仲介店、リフォームはリフォーム会社や大工、税金は税理士など、ほぼすべて外注できるのでサラリーマンでも可能です。私も初めはわからないことだらけで奮闘していましたが、徐々に慣れていき外注して任せられるようになってきました。だからこそ忙しいサラリーマンをやりながらでも不動産投資を続けられたのです。

外注できない大事なこととしては、経営者として自分で判断することです。ここを見誤ると、大きな失敗につながります。

メリット3 安定している

飲食店などは毎月売り上げが安定しないとか、ブームが去ったら売り上げが下がるなど、大きく変動しがちです。一方で不動産賃貸業は入居者がいる限り安定して家賃が入ってきます。そして、不動産賃貸の需給は急に大きく崩れることは、それほど多くはありません。

また不動産の価値は急激に変動しにくいため、資産性も維持されます。車であれば10年もたてば価値は10分の1になってしまうのが普通ですが、不動産の価値は下がりにくいです。都心であれば値上がりする可能性もあります。

その他にも市場の歪みが大きく利益が出しやすい、時間を味方につけることが出来るなど、いろいろありますが特に大きい3つを挙げました。

不動産投資のデメリット

一方で、不動産投資のデメリットもいくつかあります。

・金額が大きいので大きなリスクを伴う
・大金が動くので詐欺師のような人もたくさんいる
・株に比べ流動性がないので、すぐに売りにくい
・事業なので経営判断を伴う
・家賃の収益性が低く、上限が決まっている
・災害のリスクがある

特に注意が必要なのは、不動産投資の世界は詐欺師のような人たちがとても多いことです。いろんな業界を見てきましたが、圧倒的に多いです。

たとえば、不動産投資に住宅ローンを使うのはNGなのですが、それを隠して住宅ローンで不動産投資物件を販売する業者がたくさんいます。銀行にばれると一括返済を求められるので、そうなると最悪自己破産になってしまいます。他にも、通帳を偽造して銀行を騙して融資を受けさせ、相場よりもバカ高い不動産を買わせる業者もたくさんいました。何も知らない初心者が飛び込むと非常に危険な世界でもあります。

しかし、これらすべては経営者自身のスキルや保険などでカバーすることが出来ます。なので不動産投資家は不動産投資が最強のビジネスと考えて、私は不動産賃貸業に集中投資しているのです。

不動産投資って面白い!

初回となる今回は、不動産投資とは何かの概要について解説してきました。

不動産投資はいい面も悪い面もあり、そしてハードルはとても高いです。つみたてNISAのように万人に気軽に勧められるようなものではありません。しかし、参入障壁が高いからこそ、入ってしまえば魅力的な世界が広がっています。

「不動産投資って面白いなっ!」て思っていただいた方は、ぜひ今後も本連載を楽しみにしてください。また、私のYouTubeチャンネルでは不動産投資をはじめ、自分で稼ぐ力を身に着けることについて、今までの経験を踏まえてお伝えしていますので、興味がある方はそちらもご覧ください。

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