どうなる憲法改正 「岸田首相の優先順位は経済」時事通信社解説委員の山田さん

7月10日投開票された参院選。自民党は改選124議席の過半数を単独で獲得した。与党党に日本維新の会、国民民主党などを含めた「改憲勢力」は93議席となり、非改選議席を合わせると改憲の国会発議が可能となる定数の3分の2以上の議席を占めることとなる。(新聞うずみ火 矢野宏)

身を切る改革をアピールした吉村氏㊥=7月9日、京都・四条河原町

改憲問題も現実味を帯びてきた。

自民、公明と憲法改正に前向きな維新、国民をあわせた「改憲勢力」は、非改選を含め177議席となり、参院での憲法改正の国会発議に必要な3分の2にあたる166議席を上回った。

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ただ、4党の間でも温度差があり、改憲の旗振り役だった安倍氏の死去がどう影響するのか見通せない。

山田さんは「岸田政権にとって改憲問題の優先順位は高くない」とみている。

時事通信社解説委員の山田さん

「岸田さんは経済重視。「できるだけ早く発議する」などと言いつつも、保守派からは『改憲に消極的だ』と懐疑的に見られています。ただ、支持率が下がってきたら、保守派の支持をつなぎとめるためにも改憲に向かうかもしれません」

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参院選後、25年夏までに岸田首相が解散・総選挙に踏み切らなければ選挙のない「黄金の3年」を迎える。

山田さんは言う。「今回選ばれた政党や政治家が何をしていくのか。政治は変えることができるという目で見ていくことが大切です」

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