ロシア・ガルージン駐日大使が原爆慰霊碑に献花 「犠牲者に黙祷を捧げたい」 8・6式典には招待されず JNN単独インタビューに「ウクライナでの核兵器使用はありえない」

ロシアのガルージン駐日大使が4日、広島市を訪れ、原爆慰霊碑に献花しました。3日夜にはJNNの単独インタビューに応じ、「ウクライナにおけるロシアによる核兵器の使用はありえない」と述べました。

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ガルージン駐日大使は、4日午前10時過ぎ、原爆慰霊碑に献花しました。献花後の報道陣の取材に、「犠牲者の冥福を祈り、被爆者の健康を祈るためにきた。ロシアが核兵器の削減、最終的な廃絶のために行っている積極的な努力について説明するためでもある」とを述べました。

この日の前日(3日)、ガルージン大使はJNNの単独インタビューに応じました。

アメリカによる広島への原爆投下については、「あの原爆がアメリカによる戦争犯罪だったと私は思っています。何らの軍事上の必要性がなかったのに市民を殺害してしまった。明らかに意図的に行われた、人間を一般の広島の市民を対象にした事実上、核実験となりました」と述べ、「77年たっても、謝罪を表明する意図が全く見られない」と批判しました。

ただ、ロシアがウクライナに侵攻して以降、プーチン大統領は「主権を守る必要がある場合には使用する」と発言するなど、核兵器の使用をちらつかせています。こうした状況に、ニューヨークの国連本部で開かれているNPT(核拡散防止条約)の再検討会議でも国連グテーレス事務総長が「人類は広島・長崎の恐ろしい炎から得た教訓を忘れつつある」と、ロシアの軍事侵攻や北朝鮮の核開発を念頭に「核の脅威は冷戦の最盛期並み」だと指摘…。各国大使からもロシアの姿勢を非難する声があがっています。

インタビューでガルージン大使は、「ウクライナにおいてロシアが核兵器使用について言及したことはない」と反論したうえで、「ウクライナにおけるロシアによる核兵器の使用があり得ないということを明確に広島の市民のみなさんに言っておきたいと思います」と述べ、ウクライナでの核兵器使用の可能性を明確に否定しました。

そして、「NPT体制のもとで核軍縮を進め、最終的に核兵器の全廃に向け努力を続けていく」と述べました。

広島市は、政府と協議した結果、プーチン大統領と駐日大使に毎年、送っていた8月6日の平和記念式典への招待状をことしは送っていません。 これに対しガルージン駐日大使は、SNSで「恥ずべき措置だ」、「ロシアがウクライナで核兵器使用を目論んでいるというばかげた作り話をあらゆる手を尽くして拡散している」と反発していました。

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