積乱雲が次々発達…大雨もたらした線状降水帯 8月4日、福井県内に初めて「顕著な大雨情報」

3時間降水量を示す地図で、福井県勝山市、大野市周辺に現れた線状降水帯(赤丸部分)=8月4日午前9時半(気象庁ホームページより)

 福井県奥越を中心とする8月4日の大雨は、積乱雲が次々発達し「線状降水帯」が発生したことが原因となった。福井地方気象台によると、北陸付近に延びた前線に、台風5、6号が運び込んだ暖かく湿った空気の流入が継続。大気の状態が不安定になっている中、前線や地形の影響で上昇気流が発生して積乱雲が発達し、上空の風の影響で線状に並んだとみられる。

 福井県内に初めて発表された「顕著な大雨に関する気象情報」は、気象庁が2021年6月に運用を開始した。3時間降水量などを判断基準とし、線状降水帯による大雨を確認した際に発表される。

 福井地方気象台は4日午前9時39分、「線状降水帯による非常に激しい雨が同じ場所で降り続き、命に危険が及ぶ災害発生の危険度が急激に高まっている」として発表。気象庁ホームページの「3時間降水量」を示す地図では、同9時半に奥越周辺にくっきりと積乱雲が線状に連なるエリアが現れた。

 気象庁は22年6月から、線状降水帯の発生を半日前までに予測する取り組みを始めている。線状降水帯による大雨の正確な予測は難しいとされ、予測は嶺北・嶺南や県単位ではなく、北陸地方全体に対して発表される。今回の大雨では、新潟県下越地方で線状降水帯が発生したとして、3日に同県で「顕著な大雨に関する気象情報」が発表されていた。北陸のエリア内で既に発生している状況で、新たな予測は発表されないという。

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