亀田製菓株式会社(新潟市江南区)が2023年3月期第1四半期決算(連結)を発表、同業他社の工場火災を受けた代替需要などで大幅増益

亀田製菓株式会社(新潟市江南区)

亀田製菓株式会社(新潟市江南区)は5日、2023年3月期第1四半期決算を発表した。

売上高は232億8,700万円(前年同期比17.9%増)、営業利益は12億4,800万円(前年同期比102.9%増)、経常利益は20億2,900万円(前年同期比184.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は13億6,700万円(前年同期比239.8%増)だった。

営業利益については、単体米菓事業において三幸製菓の工場火災による操業停止を受けた代替需要に伴う増産および商品の絞り込みも含む生産性改善効果が、原材料価格やエネルギーコストの初期的な上昇分を上回り、一時的に大幅な増益となった。

また、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた百貨店向けや土産物を扱う子会社が、行動制限の緩和による市場の回復を受け前年同四半期の赤字を脱却し、黒字を確保した。これらの結果、国内米菓事業は大幅な増益となった。

国内米菓事業

国内米菓事業については、代替需要が引き続き高水準で推移した。亀田製菓は、商品の供給不足による顧客の米菓離れを防ぐため、商品供給を最優先とし、一部新商品の発売見送りや、キャンペーンを中止するなど、主力商品の生産に集中し、供給量の最大化を図った。この間、筋肉質なポートフォリオ構築の観点からも、商品の絞り込みを行った。

販売面では成長チャネルなどへの経営資源の集中や、SFA・モーションボードなどデジタル化推進により、営業活動の効率化に取り組んでいる。

これらの取り組みの結果、主力ブランドの売上高は「亀田の柿の種」「ハッピーターン」「つまみ種」「亀田のまがりせんべい」「ぽたぽた焼」「うす焼」「技のこだ割り」「ソフトサラダ」「手塩屋」「海苔ピーパック」が前年同四半期を上回った一方で、「無限エビ」「こつぶっこ」は2021年10月に実施した値上げの影響を受け前年同四半期を下回った。

海外事業

セグメントの営業利益黒字化を目指す海外事業については、北米のMary’s Gone Crackers, Inc.は商品ラインアップの拡充により大幅に増収、タイのSingha Kameda (Thailand) Co., Ltd.はクロスボーダー取引の拡大と国内向け販売を開始したことで増収を確保、前年に連結子会社化したベトナムのTHIEN HA KAMEDA, JSC.の売上高が寄与した結果、売上高は前年同四半期を上回った。

食品事業

食品事業については、防災意識の高まりを背景とした長期保存食の安定的な需要に加え、地震などが頻発した影響により、特に個人を中心にネット通販での需要が高まった。

株式会社タイナイのアレルゲン28品目不使用の米粉パンへの引き合いは、輸入小麦の価格高騰を受けてより一層高まっており、その需要に応えるべく、生産機能の移転集約など生産能力の増強にも取り組んでいる。また、植物性乳酸菌についても、他社との差別化を図り、事業拡大に取り組んでいる。その結果、売上高は前年同四半期を上回った。

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