移住者に賃貸 半島離島の人口減対策に空き家活用 長崎県、職員住宅改修

県が移住者らに貸し出す職員住宅の空き家=雲仙市小浜町雲仙

 長崎県は半島離島地域の人口減少対策と住環境整備のため、空き家になっている県職員住宅をリフォームして、移住者らに賃貸する事業を進めている。第1弾として、雲仙市小浜町の雲仙温泉街にある築31年のロッジ風木造2階建て住宅の入居者を募集している。
 事業は「ナガサキ リボーン ハウスプロジェクト」。昨年度から準備を進めてきた。半島離島には、移住希望者や子育て世帯のニーズに合う物件が少ないため、職員住宅の空き家を活用する。
 移住希望者と空き家所有者をマッチングする市町認定の「空き家活用団体」に対して、県が職員住宅を無償で貸し出し、管理を依頼。同団体が物件を自費で補修して移住者らに賃貸し、家賃収入で工事費用を回収する仕組み。
 同市では雲仙市まちづくり株式会社(城谷雅司社長)が今年4月、雲仙温泉街の一戸建て1棟と、2世帯ずつ入居できる長屋2棟の管理を請け負い、補修した。いずれも同温泉街のほかの建物と同様に白い外壁、赤茶色の屋根に統一され、まち並みに溶け込んでいる。
 一戸建てと長屋1棟には、旅館従業員(移住者)らが既に入居。残りの長屋1棟の2世帯を募集している。間取りは2階建て延べ約75平方メートルの3DK。家賃は月5万円。
 城谷社長は「活用できる空き家探しに苦労しているので、県職員住宅の提供はありがたい。移住者らにとっても住居の選択肢が広がる」と話している。問い合わせは同社(電080.1705.4929)。


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