性暴力被害者支援の態勢づくりを 岡山で目白大・斎藤准教授訴え

性暴力の被害者支援の大切さを訴える斎藤准教授

 性暴力の被害防止をテーマにした講演会が7日、岡山市北区下石井のピュアリティまきびで開かれた。被害者の心のケアに取り組み、法制審議会委員も務める斎藤梓目白大准教授(臨床心理学)が、被害者を支援する態勢づくりなどを話した。

 斎藤准教授は内閣府などの調査結果を示し、性暴力の被害を受けた人の半数以上は、警察への被害の訴えや相談ができておらず、1人で抱え込んでいるといった課題を報告。被害の届け出や相談をしやすい環境づくりや、身近な人から相談された場合にきちんと受け止められるような社会の態勢整備が急がれると指摘した。

 性犯罪被害の影響として、不眠、頭痛など身体的なものや、被害者の約5割が発症するとされる心的外傷後ストレス障害(PTSD)を説明。相談を受けた場合の対応として「話にきちんと耳を傾け『あなたは悪くない』と伝えてほしい。周囲が支援をすれば、被害者の心の回復の手助けになる」と訴えた。

 講演会は岡山西ライオンズクラブが認証50周年記念で企画し、被害者サポートセンターおかやまが共催。約90人が聴いた。

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