子ども困難解決 訪問型支援強化を 岡山でKOTOMO基金活動報告

KOTOMO基金の活動報告会で意見を交わす支援団体の代表者ら

 貧困などの困難を抱える子どもらのサポートに向け、NPO法人・岡山NPOセンター(岡山市)と山陽新聞社が設立した「KOTOMO(ことも)基金」の活動報告会が31日、同市北区柳町の山陽新聞社さん太ホールで開かれた。岡山県内で展開されているさまざまな支援の網の目からこぼれ落ちる若者らを減らすため、「訪問型支援の強化が効果的ではないか」といった意見が出された。

 県内の支援団体代表者や有識者ら8人が討議。子どもの居場所づくりに取り組む一般社団法人・SGSG(岡山市)の野村泰介理事長は「支援に関する情報が、必要な人に届いていない」と問題を提起した。

 同・子どもソーシャルワークセンターつばさ(倉敷市)の紀奈那代表理事は「訪問型支援が求められている」とし、夜の市街地にスタッフが出向き、未成年者に声掛けする活動を報告。川崎医療福祉大(同市)の直島克樹講師(社会福祉学)は「支援が必要な人の情報を、各団体が共有する仕組みを早急に構築しなければならない」と指摘した。

 討議に先立ち、基金を活用する県内4団体の活動を動画で紹介した。不登校の子どもをサポートするNPO法人・あかね(岡山市)は、当事者の元に支援者を派遣してニーズを把握。家庭内暴力の被害者を支える認定NPO法人・オリーブの家(津山市)は、シェルターに保護している親子の食べ物や学用品を購入している。市民ら約150人が聞いた。

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