投資の種類は4つしかない−−7.5億の資産を築いた投資家が明かす「稼ぐ能力」に関わる法則とは

最近、食料品や生活雑貨、電気・ガスなどの値上がりが続いています。この「インフレ」と呼ばれる状態になると、何もせずそのまま資産を保有していると、物価の上昇にお金の価値が追い付かず資産の価値が目減りしていくので、資産を守るためには投資が必要になります。

そこで、7.5億の資産を築いた投資家で実業家の八木エミリー( @emily_yagi )氏の著書『放置しておくだけでふつうにお金が増える投資術』(ビジネス社)より、一部を抜粋・編集して投資の種類について解説します。


自分もお金も「遅れの法則」で伸びていく

稼ぐ能力に関しては「遅れの法則」があります。

本を読んだり、セミナーを受けたり、勉強したりという努力に比例して、能力も右肩上がりに上がっていくわけではありません。

ずっと停滞している時期があり、ある時期を境に急に伸びていきます。「努力しているのに思うような結果が出ない」という時間が、必要なんですね。

結果は努力に遅れて現れる。これが「遅れの法則」です。

お金も遅れて増える

遅れの法則は、投資でも同様にあります。たとえば毎月3万3千円ずつ積み立てても、1年で貯まるのは40万円です。2年で80万円、3年でやっと120万円です。「全然増えないなあ」と思ってやめてしまい、もっとうまい投資先を探すのではなく、継続して積み立てていくことで、「複利」の力も働きます。複利とは、運用で得た利益をさらに運用に回して利息が利息を生むことです。

コツコツ積み立てたものが、ある程度資産という形となって現れるのは、10年後、20年後の先なんですね。

この「遅れの法則」を、投資でも自分の能力に関しても、信じてあげる。そのうえで頑張り続ければ、いずれ結果が出ます。

投資にはたった4種類しかない

株はまだしも、FX、投資信託、ETF、REIT、ファンド……。

投資を始めようとして尻込みしてしまうのは、なんだかよくわからない専門用語がたくさん出てきてうんざりしてしまうからではないでしょうか。

じつは投資には、「株」「債券」「不動産」「コモディティ」の4種類しかありません。

これだけ理解しておけば、あとは応用になります。意外とシンプルでしょう?

(1)株

株は、その会社のオーナーになる権利です。

株式会社とは、株主から集めたお金を資本金として成り立っている会社です。

会社から見ると、「わが社が儲かったらそれに応じた分け前を払いますので、資金を出してくれませんか?」と広く呼びかけているのが株式公開です。

その会社の株を持つことは自分が会社のオーナーになるということなので、会社が倒産したら、オーナーとして一緒に責任を負うことになります。会社=自分というイメージです。

上場している会社の発行株数は決まっています。たとえばある会社が1万株を発行していたとき、その発行数に対して多くの人が「買いたい」という需要が多ければ株価が上がっていくし、発行数に対して需要がなく、買い手が少なければ株価が下がっていきます。

(2)債券

債券は「会社にお金を貸してあげる」権利です。

たとえば、Appleという会社が10億ドルを調達したいとき、「みなさん、10億ドル貸してくれませんか?」と市場に借金を呼びかけ、1口10万ドルを10万口募集します。この募集に応じることが債券を買うということで、買った口数に応じてリターンを受けます。

株主はオーナーなので、会社は自分の持ち物で、自分と会社と同等の立ち位置です。

一方、債券を持つことは会社に借金させてあげる立場なので、会社より少し上とイメージするとわかりやすいでしょう。会社が倒産した場合は、株主より優先して、債券を買ってくれた人たちにお金が返ってくることになります(最優先は担保を取っている債権者です)。

債券の特徴は、株と違って「人気があるから値段が高い」「会社の価値が上がると株価が上がっていく」とはなりません。そのため債券は株式ほど大きく値動きしないのです。その代わり「10年間、固定で1%の利息がつきます」といった条件が最初から決まっていて、その条件が覆されることは基本的にありません。

会社の債券を「社債」といい、株と比べると発行数が少なく、買える金額も最低100万円ほどかかります。広くみんなに買ってほしいというよりは、借金したい金額が埋まればいいので、限られた人に買ってもらえばいいからです。

私たちが買いやすいのは、国の債券「国債」です。個人向け国債なら毎月発行され、1万円から購入できます。

(3)不動産

マンションやアパート、戸建てといった不動産を購入し、家賃収入や売却益を得る投資方法です。

金融機関から融資を受けることができれば、手元の資金よりも大きな金額を運用して効率よくお金を増やしていけます。こうした特徴を「レバレッジを効かせる」といいます。レバレッジとは「てこ」の意味で小さな力で大きなものを動かすイメージです。

ただし一方で、不動産は金融商品を買うのとは違って、不動産業という事業です。空き家を埋めたり、お掃除をしたりという労働が発生します。儲かるというのはこうした労働や、レバレッジを使うというリスクに対する対価だと、私は考えています。

(4)コモディティ

コモディティとは「商品先物取引」で取引されている商品のことです。

主に、エネルギー(原油、ガソリン、天然ガスなど)、貴金属(金、銀、プラチナなど)、穀物(小麦、トウモロコシなど)があります。

現物を持つので資産価値がゼロにならない、インフレに強いといったメリットがある一方、複利で増えない、価格の変動を読むのが難しいといったデメリットもあります。ETFで買うのが一般的です。

リスクが高いほど、リターンも大きい

投資を始める際にきちんと理解しておいてほしいことがあります。それは「リスク」についてです。

資産運用や投資でいう「リスク」とは、「危険」という意味ではなく「変動幅」や「振れ幅」のことです。

「リスクが高い」とは、振れ幅が大きく、上に行く可能性も下に行く可能性も大きい。ゆえにリターンも大きくなります。

投資するにあたっては、リスクを理解し、自分はどれくらいのリスクを許容できるのかを把握してから始めてください。

「びた一文もお金を減らしたくない!」という人は、リスクが大きい運用をやるべきではありません。

4つの投資をローリスク順に並べると、債券、不動産、株となります。

コモディティは他の3つと違うので、単純比較ができないため、ここでは省いておきます。

不動産よりも株のほうがリスクが高いと知って驚いたかもしれません。

株は値段が10分の1になったりしますよね。

不動産は値段は高いですが、株のように10分の1になることはほぼありません。

リスクとは振れ幅のことですから、不動産のほうが低リスクになります。

最もハイリスクなのが、1つの企業の株を全力で買うことです。万一、1社に何かあったら、あなたの資産も吹っ飛んでしまいます。やはり分散投資が必須なのです。

イラスト (C)林 香世子

著者 八木 エミリー

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