投資の神様・バフェットが株価を判断する基準−−2022年にシェブロンやHPを買いつけた背景とは

前回は「株の格言」から投資に対するヒントなどを紹介させて頂きました。

今回は、「投資の神様」とも呼ばれるウォーレン・バフェット氏の発言や投資スタイル、また、そこから考える投資のヒントを紹介したいと思います。


投資の神様・バフェットの投資スタイル

ウォーレン・バフェット氏とは、米国の投資家で、資産家であり、また経営者でもあります。

世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイの筆頭株主で、同社の会長兼CEOを務めています。バフェット氏は、昨年までの2年間の株式市場は「狂気的だ」と語り、保有株式を売り越しました。しかし今年の1〜3月期に400億度ドル(約5兆円)の株式を購入した事が、2022年4月30日(土)に開催された年次株主総会で明らかになりました。買い付け銘柄は米国エネルギー大手オキシデンタル・ペトロリアムや同じく米国の石油メジャーの一角、シェブロンやヒューレット・パッカードなどが報告されました。

バフェット氏が株価が「割高か、割安か」を判断するときに重視していると言われているのが「バフェット指標」です。バフェット指標は、米国のGDPに対して、米国株が割安か割高かがわかる指標で「株式の時価総額÷名目GDP×100」で算出できます。数字が大きいほど株は割高で、小さいほど割安と判断します。

2021年末に200%を超えていたこの指標が、2022年3月にはコロナ・ショック直後の170%台まで下がったことで、バフェット氏は株式を購入したようにも思えます。

バフェット氏の過去の発言から投資のヒントをお伝えしていきます。

(1)常に新しいことを学び、謙虚であれ

バフェット氏は何年も前に、ある起業家と飲みに行った時に、いくつかのアドバイスを与えました。「日々何かを学び、機会を無駄にせず、常に謙虚であれ」と。投資に関する直接的なアドバイスではないのですが、ビジネスに携わる人なら誰もが従って損をすることのない姿勢です。バフェット氏は今でも毎朝新聞を読み、1日を通して読書をしているそうです。「こうやって知識は機能するんだ。複利のように、積み重なっていく」と言っています。

時代は常に変化します。いつまでも同じ環境が続くわけではありません。実際、日々の株価の値動きも年々、機械化が進むにつれて速くなっています。数年前と比較すれば天と地ほどの差があります。対応を誤ると大きな損失を被る可能性が常にあります。投資スタイルや売買手法を変え、進化することが重要です。また、往々にして大きなお金を手にすれば、謙虚さを忘れがちになります。常に謙虚な姿勢で相場に向き合う事が重要と感じます。

(2)わからないものには手を出さない

リスクというものはあなたが何をやっているかを理解していないときにこそ、やってきます。 何も知らずに、言われるがまま「わからないもの」に投資をすることは大きなリスクです。投資(資金を投じる)をする場合は、最初は誰でも初心者ですが、投資をしながら少しずつ学んで知識をつけていくことが大切です。知識(知っていること)は最大のリスク回避手段です。

私は株式投資を始めてから約30年が経ちます。これまで様々な売買を行いました。損失を出す可能性が高いのは、バフェット氏が述べているように何をやっているかわからない企業に投資をしたり、値動きだけに着目して売買をした時が多かったように思います。じっくり研究し、調査をすればリスクも軽減するはずです。

(3)他者が貪欲な時に恐怖心を抱き、他者が恐怖心を抱いている時に貪欲であれ

市場が熱くなっている時は慎重になり、市場が低迷している時に機会を狙うということです。バフェット氏にとって、機会とは優れた銘柄を安く買うことを意味します。

まさに、バフェット氏は2年前の株価上昇時は株式を売却し、株価が下落する局面で株式を購入しています。株価が上昇すると乗り遅れたように感じると思います。ですが、上昇しきった場面で焦って株式を購入しても結果はよくありません。相場全体を見渡し、タイミングを見計らいながら売買をする事が重要と感じます。

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