県自然環境保全センター(厚木市七沢)は、丹沢大山山域で2021年3月~22年2月の1年間に計測した年間登山者数を初めて公表した。登頂者が最も多かったのは大山の約13万人で、次いで塔ノ岳の約8万8千人、三ノ塔約5万4千人、丹沢山約4万4千人と続き、人気のピーク(山頂)が数字の上でも裏付けられた。
登山者数の計測は、登山ブームを背景に深刻化しているオーバーユース(過剰利用)の実態を把握するための基礎資料を集めるのが主な目的。同センターが08年度から、赤外線センサーを使って自動計測できる登山者カウンターの設置台数を増やしてきた。
同センターによると、これまでに設置したのは東丹沢では大山や塔ノ岳、丹沢山、蛭ケ岳、西丹沢は檜洞丸(ひのきぼらまる)や大室山など、標高千メートル以上の12の主要ピークに計36台。丹沢大山全体で入山から下山に至る経路を含め、登山動向をほぼ把握できる体制整備を目指した。
しかし、南斜面を立ち上る霧の発生など天候による誤作動が多発、計測結果の公表が見送られてきた経緯がある。設置場所の調整や機器の改良を重ね、21年3月~22年2月の結果を一部補正して公表したという。