<甲子園>19年ぶり初戦突破の聖望学園、14日に大阪桐蔭と対戦へ アルプス応援団、浜風に乗せた賛美歌

13年ぶりの甲子園出場にOB、OGが駆け付けて選手たちを応援する聖望学園吹奏楽部=10日午前、兵庫県西宮市の甲子園球場

 第104回全国高校野球選手権大会第5日は10日、兵庫県西宮市の甲子園球場で1、2回戦計3試合が行われ、埼玉代表で13年ぶり4度目出場の聖望学園は能代松陽(秋田)を8―2で下し、19年ぶりに初戦を突破した。

 聖望学園は、エース岡部が被安打6、2失点の完投。打っては、16安打8得点と投打で圧倒した。二回2死二塁から荒江の左前適時打で先制。4―2の七回には、園山のスクイズなどで3点を奪った。投げてはエース岡部が、五回まで無安打無失点と好投。六回に2失点したが、後続を抑えてリードを守り切った。

 聖望学園は大会第9日の14日、第3試合で選抜大会優勝の大阪桐蔭と2回戦で対戦する(13時開始予定)。

■「賛美歌」で選手鼓舞

 第104回全国高校野球選手権大会第5日は10日、甲子園球場で行われ、13年ぶりとなる夏の聖地で初戦の1回戦に臨んだ聖望学園は第2試合で、能代松陽(秋田)に8―2で快勝した。一塁側アルプススタンドには、約2250人の応援団が集結。得点が入るたびにキリスト教で神をたたえる「賛美歌」を浜風に乗せて演奏し、ミッションスクールならではの応援で選手たちを鼓舞した。

 応援団は大声での声援や合唱を控え、拍手を基本にするなど新型コロナウイルス感染防止対策を徹底し、スタンドから選手たちにエールを送った。

 ダンス部部長の森田結愛さん(17)は「コロナで応援に行けず、練習だけでチアとしての活動がなかった。野球部のおかげで、甲子園で応援することができて感謝している」と満面の笑み。

 演奏で後押しする吹奏楽部は部員10人だが、13年ぶりの夢舞台のためにOB、OGが参加。部長の谷口美桜さん(17)は「吹奏楽部として楽しい夏にしてくれて野球部には感謝している。演奏面では他の学校に比べて欠けるかもしれないけど、少しでも選手の心の支えになってくれればうれしい」。一塁側から三塁側にかけて吹く浜風に乗せながら美しい音色を奏でた。

 野球部を支える3年生のマネジャー3人も一塁側スタンドから選手の背中を押した。高田果実(このみ)さん(18)は「こんなに広いから応援が届くか心配だけど、全身全霊で応援したい」と話し、林ひなたさん(18)は「自分たちのチームがこの舞台に立っているなんて信じられない。ドキドキする」とほほ笑んだ。

 埼玉大会の決勝でスコアラーとしてベンチ入りしていた上中香葵さん(18)は「ここまで来られたのは努力の結晶。思いっ切り楽しんでほしい」。直射日光に加えてアルプススタンドの照り返しと、気温32度を上回る体感温度の中で、生徒たちはグラウンドで躍動する選手たちを見届けた。

© 株式会社埼玉新聞社