福井県南越前町河野地域の赤萩集落では8月11日、壊れた家屋の部材や家具を集落外に搬出する作業が本格化した。住宅の床下は泥でびっしりと覆われ、住民は「元通りにはまだまだ遠い」と炎天下の作業に追われた。13、14日に災害ボランティアの受け入れを再開し本格復旧を目指すことにしている。
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赤萩集落は5日朝、増水した河野川の上流部から大量の土砂が流入。12軒が床上浸水、6軒が床下浸水したとみられている。11日はボランティア受け入れをいったん中断し、がれきなどの搬出作業が集中して行われた。
集落の空き地は、住民が廃棄を余儀なくされた泥まみれの畳や床板、柱、家具などが集められ、山積み状態。福井県を通じて依頼を受けた産廃処理業の北陸環境サービス(福井市)が重機をフル回転させて運び出し、ボランティアで家屋の片付けにも取り組んだ。
95歳の男性方では、庭先の小屋が倒木の直撃で倒壊した。住宅は床上まで水が押し寄せ、仏壇の一部も被害に遭った。床下の泥出しはまだ手つかずの状態で、家族は「自分たちだけの手では限界がある」と途方に暮れていた。
集落を見回った男性区長(63)は「住民は休みなく片付けに追われてきた。13、14日にまたボランティアの助けを借りて作業を進めたい」と汗をぬぐっていた。