<新型コロナ>埼玉の感染者数高止まり 「小康状態」も病床使用率は72%超 県、検査キット配布延長も

埼玉県庁=埼玉県さいたま市浦和区高砂

 新型コロナウイルスの埼玉県全体の1日当たりの新規感染者数は7日から12日まで、6日連続で前週同曜日を下回って推移しており、感染は小康状態にある。1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す実効再生産数は10日に1を下回り、11日時点は0.993。感染者の爆発的増加は収まりつつあるものの、感染者数は高止まりの状態が続いており、県はお盆期間中の感染対策徹底を呼びかけている。

 オミクロン株の派生型「BA・5」の影響によるとみられる感染拡大は県内でも7月初旬から顕著になり、県全体の1日当たりの新規感染者数は7月21日に1万821人となり、初めて1万人を突破。8月5日にはこれまで最多となる1万3991人が確認された。

 新規感染者急増に伴い、県内の病床使用率も高まっており、11日時点の即応病床使用率は72.2%(1250人/1731床)、うち重症病床は47.6%(40人/84床)と厳しい状況にある。

 一方、関東以外では依然として感染が拡大している地域もあり、11日は山形、福島、石川、兵庫、広島、長崎の6県で1日当たりの過去最多を確認。厚労省に新型コロナ対策を助言する専門家組織は10日に会合を行った後、脇田隆字座長が記者会見で「決して楽観的ではなく、今後も(感染者数は)すぐに減少していかないのではないかといった意見があった。減らすための対策をしていく必要がある」と述べている。

 県感染症対策課は無料検査の活用やワクチン接種を呼びかけた上で、「換気や飲食時も会話をする時はマスクをするなど、基本的対策を改めて徹底していただきたい」としている。

■検査キットの配布を月末まで延長

 埼玉県は12日、発熱などの症状がある人に新型コロナウイルスの抗原検査キットを無料配布する期間を31日まで延長すると発表した。当初は15日までとしていたが、市町村の窓口などでの配布期間と足並みをそろえた。検査キット配布事業の対象者は基礎疾患がないなど重症化リスクが低い50歳未満の有症状者。自分で検体の採取ができる必要があり、乳幼児などは対象外となる。

 配布数の上限は1日4千個。県薬務課によると、申請数は5日以降4千件を下回る日が続いており、担当者は「余裕がある状況なので、申請すれば受け取れるだろう」と説明した。

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