優雅に力強く 伝統の傘踊り 笠岡・大島、4年ぶり住民ら披露

伝統の傘踊りを披露する保存会のメンバー

 笠岡市大島地区の盆踊り「大島の傘踊り」(岡山県重要無形民俗文化財)が14日夜、同市大島中の大島中学校で行われ、地元住民らが和傘を使った伝統の踊りを披露した。台風や新型コロナウイルス流行の影響を受け、4年ぶりの開催となった。

 コロナ感染の急拡大に配慮して規模を縮小し、地元小中学生らは踊りへの参加を見合わせ、傘踊り保存会メンバー26人が踊った。

 おそろいの着物姿の踊り手たちは赤や青色の傘を手に、太鼓や「大島音頭」に合わせ、傘を差して歩く「出踊り」や、2人一組で傘を刀に見立てて当て合う「忍び」「斬り合い」などを優雅に、ときに力強く舞った。

 保存会の斉藤竜造会長(70)は「4年ぶりに開催できてよかった。今後は後継者を育て、地域の伝統を引き継いでいきたい」と話していた。

 大島の傘踊りは1686年、地元の領主・細川通董(みちただ)の百回忌墓前祭で供養踊りを奉納していたところ夕立があり、刀の代わりに雨傘を使って踊ったことが起源とされている。

和傘を使った傘踊り

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