伝統の舞を披露「平戸のジャンガラ」 生月では舘浦須古踊りも

「平戸のジャンガラ」を披露する参加者=平戸市、平戸港交流広場

 先祖を供養し、五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願する国指定重要無形民俗文化財「平戸のジャンガラ」が18日、長崎県平戸市北部の城下町一帯で3年ぶりにあり、踊り子たちが笛や鉦(かね)の音に合わせ、伝統の舞を披露した。
 同市などによると、平戸のジャンガラは江戸時代初期の文献に記述があるものの、起源は定かではない。平戸島内九つの集落で例年8月14日から18日にかけて行われるが、コロナ禍で一昨年、昨年とも中止した。
 今年、実施したのは平戸地区(平戸自安和楽=ジャンガラ=保存会)のみ。花の飾りを付けたかさをかぶった踊り子をはじめ、囃子(はやし)方など総勢40人が平戸城内の亀岡神社(岩の上町)から平戸港交流広場(崎方町)まで約5時間かけて回り、40カ所超で奉納した。
 このうち、松浦史料博物館(鏡川町)では松浦家第41代当主の松浦章さん(81)が見守り、「市民の意志で続けられるジャンガラは一度、途絶えると元に戻すのは大変。少子化が進む平戸で、3年前に見た時より多い人数で奉納できたことがよかった」と話した。

舘浦須古踊りを奉納する参加者=平戸市生月町

 同市生月町舘浦地区では、市無形民俗文化財「舘浦須古踊り」が昨年に続いてあり、同踊り保存会(戸田幾嘉会長)の約70人が寺社など46カ所で大漁や商売繁盛を願った。


© 株式会社長崎新聞社