那須烏山の豚熱、殺処分6割完了 暑さ対策、作業時間短縮

防疫作業を進める県職員ら=7月24日午後、那須烏山市(県提供)

 那須烏山市の大規模養豚場で発生した豚熱(CSF)について、県は18日、予定する殺処分頭数約5万6千頭のうち、同日正午現在で計3万4474頭を処分したと発表した。全体の61.6%に当たる。猛暑に見舞われる中、作業時間を短縮するなど新たな対策を取り入れながら、9月末の処分完了を目指している。

 県畜産振興課によると、農場では現在、子豚と肥育豚の処分を進めている。昨年4月、豚熱が発生した那須塩原市の養豚場での作業中の事故を受け、今回は注射を使わず、電気などで処分しているという。埋却も全体の約6割となる3万3668頭を終えた。

 今後は母豚など対象の豚が大きくなり、作業に手間がかかることから、ペースは鈍化するとみられる。

 猛暑も引き続き課題となっている。気温の上昇に伴い、これまでも作業を途中で打ち切る日があったほか、作業中に熱中症の疑いで職員計4人が救急搬送された。追加の対応として、今月15日から作業時間を午後7時~翌日午前8時と従来より約4時間短縮した。

 18日正午時点で防疫措置の従事者は延べ7350人。県や県内市町などの職員と農業団体、建設業協会などの協力団体の関係者らが農場内や消毒ポイントなどで作業に当たっており、同課は「職員の安全対策を優先し、一刻も早く作業を進める」としている。

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