JR大糸線は1957(昭和32)年8月15日の全線開通から今年で65周年を迎えた。大糸線活性化協議会(事務局、糸魚川市都市政策課内)は大きな節目を記念し20日、糸魚川駅でヘッドマークシール設置列車の出発式、除幕式などを実施した。
ヘッドマークシールは20日から来年3月下旬まで、JR西日本管轄の大糸線糸魚川―南小谷間を走るキハ120形の3両に設置。20、21の2日間、糸魚川発午後1時23分、南小谷発午後2時43分の列車に乗車した人には記念品が配布される。
出発式に先立ち、糸魚川ジオステーションジオパルで大糸線全線開通65周年記念ヘッドマークの除幕式が行われ、JR西日本の漆原健・金沢支社長、同協議会会長の米田徹糸魚川市長が除幕し、訪れた関係者や市民、鉄道ファンに披露された。
あいさつで米田市長は、存続問題が浮上している同区間の現状を踏まえ、生活路線にとどまらず、北陸新幹線と関東・中京方面、世界的な観光地・白馬をつなぐ交通ネットワークの価値を紹介。「住民、企業などと共に大糸線は都市、地域の欠かせない構成員」と話し、交流人口の拡大などに向けた連携、協力を呼び掛けた。
漆原・金沢支社長は、長きにわたり鉄路を守り続けた地域の尽力、愛顧に感謝。ウイズ・コロナの定着で少しずつ戻ってきた鉄道利用、観光需要に期待し、誘客、利用促進などに関し「この地域の明るい将来に向けて取り組んでいく」と誓った。
引き続き、糸魚川駅4番ホームで出発式が行われ、同支社北陸広域鉄道部の柴田一博・大糸線担当部長、米田市長が出発合図を行った。
◇JR東でも「記念号」運行 松本―南小谷
20、21日はJR東日本管轄の松本―南小谷間でも、ハイブリット車両「リゾートビューふるさと」を使用した臨時快速列車「大糸線全通65周年号」を運行。南小谷駅では20日、地元の北アルプスアルプホルンクラブ、小谷中吹奏楽部の歓迎演奏など、おもてなしが行われた。中村義明小谷村長は、新宿発着の特急「あずさ」を含む3列車そろい踏みに「日本海側と東京、太平洋側がつながっていると実感した。未来の列車、鉄道の姿を見たい」と思いを話した。