2022-23シーズンのプレミアリーグが開幕した。それに合わせて今年も多くのユニフォームが登場し、そのデザインに遠慮のない批評が飛び交かっている。
ここでは、そのプレミアリーグの懐かしき20年前、2002-03シーズンの「全20チームのユニフォーム」をご紹介したい。当時も幾つかのユニフォームが大きな反響を呼んだ時代である。
ユニはホームキットのみを、最下位の20位から優勝チームの順番で掲載している。
20位:サンダーランド
サンダーランド 2002-04 ホーム
ブランド:Nike
選手:ケヴィン・フィリップス
伝統の赤白ストライプに襟付き。当時のNikeはこうしたクラシックタイプのデザインを得意としていた。ユニは素晴らしかったのだが、チームは残念ながら2部ディヴィジョン1へ降格。その03-04シーズンもこのキットを着ている。
19位:ウェストブロム
ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン 2002-03 ホーム
ブランド:The Baggies
選手:ジェイソン・クーマス
クラブ史上初のプレミアリーグ昇格という記念すべきシーズンだったが、1年でディヴィジョン1へ逆戻りに。そんなシーズンのユニフォームは前年までのPatrickから、クラブの愛称でもあるThe Baggiesへサプライヤーを変更。これはいわゆる自社ブランドだったと思われる。
18位:ウェストハム
ウェストハム・ユナイテッド 2001-03 ホーム
ブランド:Fila
選手:ジョー・コール
残念ながらディヴィジョン1へ降格となったシーズンで、ユニフォームは01-02シーズンから継続で使用。当時のウェストハムのユニといえば、胸スポンサーのシューズブランド「Dr.Martens」のロゴマークも人気を博した。
17位:ボルトン
ボルトン・ワンダラーズ 2001-03 ホーム
ブランド:Reebok
選手:ユーリ・ジョルカエフ
ユニフォームは7年ぶりにプレミアへ復帰した01-02シーズンからの継続使用。胸スポンサーは地元ボルトンに本拠を構えるスポーツブランドの「Reebok」で、実はユニサプライヤーを担当する以前の1990年からスポンサー契約を結んでいる。
16位:アストン・ヴィラ
アストン・ヴィラ 2002-03 ホーム
ブランド:Diadora
選手:トーマス・ヒツルスペルガー
当時のアストン・ヴィラはホームキットのデザインを毎シーズン変更していたが、これはプレミアでは少数派だった。02-03モデルは1950年代のキットデザインを彷彿とさせるもので、とてもヴィラらしいデザインといえる。
15位:リーズ
リーズ・ユナイテッド 2002-03 ホーム
ブランド:Nike
選手:ハリー・キューウェル
15位と低迷し、90年代後半から続いたクラブ黄金期の終焉となったシーズン。スポンサーの「STRONGBOW」はシードル(アルコール入りサイダー)のブランド。03-04シーズンは胸スポンサーが変更となったが、シャツ自体は継続で使用している。
14位:フラム
フラム 2002-03 ホーム
ブランド:adidas
選手:稲本潤一
現在は南葛SCに所属する稲本潤一がプレーしたシーズンのユニフォーム。プレミア昇格を果たした01-02シーズンも同じシャツを使っていたが、その時の胸スポンサーは「Pizza Hut(ピザハット)」。シャツ自体は同じであるものの圧倒的に01-02モデルのほうが人気は高い。
13位:バーミンガム
バーミンガム 2002-03 ホーム
ブランド:le coq sportif
選手:スティーブン・クレメンス
プレミアに昇格したシーズンのユニフォーム。バーミンガムは当時から毎年ユニデザインを変えている。02-03モデルは伝統的に使われてきた白をほぼ排除し、濃淡の青で構成するデザイン。20年前のものとは思えないスタイリッシュな一着だ。
12位:チャールトン
チャールトン 2002-03 ホーム
ブランド:le coq sportif
選手:スコット・パーカー
5年間続いたle coq sportifとのパートナーシップ最後のユニフォーム。翌03-04シーズンからJomaがサプライヤーとなるため、この1シーズンしか使われていない。胸スポンサー「all:sports」はスポーツ用品チェーン。
11位:ミドルズブラ
ミドルズブラ 2002-03 ホーム
ブランド:Errea
選手:マッシモ・マッカローネ
この02-03モデルは歴代屈指の好デザインと評判の一着。ミドルズブラはイタリアのスポーツブランドErreaと契約した1994年以降、毎シーズン新しいユニフォームを作り続けている。だが同じユニを2シーズン使用するチームが多かった時代だけに、この姿勢はかなり批判されたという。
10位:トッテナム
トッテナム・ホットスパー 2002-04 ホーム
ブランド:Kappa
選手:ロビー・キーン
03-04シーズンまで使ったホームキットはクラブ初のKappa製。縫製ラインを表面に出した独特の風貌は、ローマやイタリア代表と同じ“KOMBAT”シリーズのピチユニである。このシーズンは戸田和幸氏が在籍していた。
9位:マンチェスター・シティ
マンチェスター・シティ 2002-03 ホーム
ブランド:le coq sportif
選手:ニコラ・アネルカ
プレミア昇格シーズンのユニフォーム。シャツ自体はディヴィジョン1を優勝した01-02モデルと同じだが、胸スポンサーは「EIDOS」から「FIRST ADVICE」へ変更となった。青と紺の調和のとれた美し色合いのキットである。
8位:サウサンプトン
サウサンプトン 2001-03 ホーム
ブランド:Saints
選手:ジェームズ・ビーティー
クラブというよりもビーティーがリーグ3位となる23得点で大暴れ、という記憶の方が強いシーズンのユニフォーム。自社ブランドのSaintsが手掛けたこのユニは、クラシックなストライプ柄で根強い人気を誇る。
7位:エヴァートン
エヴァートン 2002-03 ホーム
ブランド:Puma
選手:ウェイン・ルーニー
エヴァートンのトップリーグ所属100年を記念して作られたユニフォーム。そのためこの1シーズンしか使われていない。シンプルな青を基調に白い縫製ラインが美しいデザインで、右袖にはトップリーグ100年を記念したパッチが付いていた。胸スポンサー「科健」は当時存在した中国のモバイル企業で、プレミアにおける漢字スポンサーロゴの先駆け的な存在でもある。
6位:ブラックバーン
ブラックバーン・ローヴァーズ 2002-03 ホーム
ブランド:Kappa
選手:デヴィッド・ダン
おそらくブラックバーンの歴代キットでも屈指の好デザインに数えられる一着。鉄板の白青半々をベースに、紺と赤のコンビネーションが美しくて格好よい。翌03-04シーズンは胸スポンサーを変えて使われた。
5位:リヴァプール
リヴァプール 2002-04 ホーム
ブランド:Reebok
選手:マイケル・オーウェン
襟付きだった00-02モデルと変わり、02-04モデルはラップオーバーのラウンドネックを採用。全体的に80年代風クラシックな雰囲気が漂うデザインとなっている。昔のリヴァプールといえば胸スポンサー「Carlsberg」。このロゴを付けたユニフォームは現在でも高い人気を誇る。
4位:チェルシー
チェルシー 2001-03 ホーム
ブランド:Umbro
選手:ジャンフランコ・ゾラ
01-02シーズンから継続使用のユニフォームで、シンプルに青と白で構成した美しいキット。今やサッカー界ではおなじみの存在となった「Fly Emirates」が胸に初登場した。襟部分は表が靑で裏が白と2色を使い、見えない部分へのこだわりを見せる。
3位:ニューカッスル
ニューカッスル・ユナイテッド 2001-03 ホーム
ブランド:adidas
選手:アラン・シアラー
01-02シーズンから継続使用の一着。クラシック・タイプのデザインが多いニューカッスルにしては、珍しくモダンなユニフォームだった。胸スポンサーは01-03の2シーズンのみ契約だったCATV会社「NTL」で、ロゴの色もかなり独特。そんなキットを着たこのシーズンのプレミアは、01-02シーズンの4位を上回るTOP3入りを果たした。
2位:アーセナル
アーセナル 2002-04 ホーム
ブランド:Nike
選手:デニス・ベルカンプ
03-04シーズンも継続使用したユニフォーム。おそらく当時多くのユニ好きが嘆いたであろう衝撃のスポンサーロゴ「O2」登場である。シャツのデザイン自体にも否定的な反応は少なくなかったが、このシーズンは2位、そして03-04シーズンはリーグ無敗優勝という歴史的偉業を成し遂げる。
優勝:マンチェスター・ユナイテッド
マンチェスター・ユナイテッド 2002-04 ホーム
ブランド:Nike
選手:デヴィッド・ベッカム
多くのタイトルを共につかみ取ってきたUmbroと別れ、当時イングランドサッカー界への進出を加速させていたNikeと契約。このサプライヤー変更には、胸スポンサーが「SHARP」から「vodafone」に変わった時と同じか、あるいはそれ以上のショックを受けたファンも多かったに違いない。
そんなNike初のユニフォームでチームは2季ぶりにプレミアを優勝した。続く03-04シーズンはアーセナルが優勝し、2年連続でNikeと契約するチームがプレミアを制覇。ユニサプライヤー新時代の到来を予感させる出来事となった。