広島でも薬不足に 実態は 新型コロナ感染急増で

新型コロナの感染拡大で都内などで起こっている深刻な薬不足。実は、感染者が急増している広島でも同じような状況に陥っています。その実態とは―。

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広島市中区のらいおん薬局。病院の医師が処方する医薬品を調剤して患者に渡す保険薬局です。

らいおん薬局 管理薬剤師 竹本貴明さん
「これは東京だけではなく、全国的な話になる」

「特にコロナに関連して熱を訴える人が多いので、熱に使われる『カロナール』が全く入って来ない状態になっている」

新型コロナの患者に処方されることが多い解熱鎮痛剤の「カロナール」など、アセトアミノフェン製剤が不足しているといいます。

竹本貴明さん
「お盆前にうちの薬局でもカロナールを頼んでいるが、それがいまだに入っていない状態」

この薬局で特に不足しているのが、主に子ども用に使われるアセトアミノフェンの粉ぐすりです。

竹本貴明さん
「これは子どもに使う粉ぐすりだが、もう残り10グラムを切っているような状態」

「大人の方で『粉をどうしても』という人には錠剤をつぶして作らせてもらっている」

残り10グラムだと6歳の子どもに処方した場合、わずか4~5人分だといいます。

竹本貴明さん
「カロナールでなくてもいい、ほかの熱を下げる薬でもいいという患者に関しては、ほかにロキソニンとか、そういった薬があるが、それに変えてもらえないかと相談させてもらったりとか」

ところが、その「ロキソニン」など、ロキソプロフェン製剤もなかなか入って来ない状況だといいます。

竹本貴明さん
「これ以外にもせきどめやのどの炎症を抑える薬、たんを出しやすくする薬、コロナに関連した薬が、漢方も含めて入って来ない」

こうした状況から広島県のオンライン診療センターで自宅療養者に処方している薬についても影響が…。

不足している薬については、これまで5日分を処方していたのを3日分に減らすなどして対応しているということです。

らいおん薬局 管理薬剤師 竹本貴明さん
「今までこういった状況は経験したことがない。このままだと、いくら患者が受診して医師が診察しても薬が行き渡らない、そういったことが起きてくるのではないかと危惧している」

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