発熱外来 8割が逼迫 県保険医協会の診療所調査 「方策早急に」県に要望

 長崎県保険医協会(本田孝也会長)は25日、新型コロナウイルス感染者の爆発的な増加によって発熱外来を受け付けている会員の診療所のうち8割近くが逼迫(ひっぱく)していると回答したアンケート結果を公表した。内科医として発熱外来の診療をする本田会長は「医療崩壊は始まっている。県には感染者を減らすための実効性のある方策を早急に示してほしい」と会見で述べた。
 717の医科診療所にアンケートし208機関(29%)が回答。診療・検査医療機関として県に届け出ている診療所のうち、「許容量を超えている」は25.4%、「ぎりぎり(の状態)」は52.5%だった。
 負担の要因について複数回答可で聞いたところ「発熱患者の診療」(73.7%)が最も多く、「ワクチンの予約」(42.4%)、政府の情報共有システム「HER-SYS(ハーシス)の入力」(41.5%)、「ファクスによる発生届など」(33.9%)と続いた。
 陽性者または濃厚接触者になって休業したスタッフが「いる(いた)」と答えた診療所は76.9%に上った。一般診療への影響について71.2%が「出ている」と答えた。
 本田会長は現状について「これまではまん延防止等重点措置などでブレーキも踏んできたが、今はアクセルだけ。感染者を減らさないと助けられる命が助からない」と訴えた。さらに「協会としての総意ではない」と前置きし「何らかの制限は必要だと思う」と述べた。
 同協会は25日、アンケート結果を踏まえ、「第7波による医療崩壊から県民を守るための要望書」を県に提出。感染者減の方策や医療機関への支援策など8項目を要望した。


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