救急出動件数 コロナに熱中症で過去最多ペース 長崎市消防局 

長崎市消防局の救急出動件数は過去最多ペースで推移している=長崎市内

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、熱中症による搬送者数の増加も重なり、長崎市消防局の救急出動件数が過去最多ペースで推移していることが25日、同局への取材で分かった。15日は122件で1日当たりの件数としては新システムで統計を取り始めた2007年以降最も多かった。
 同局警防課によると、7月末までの出動件数は1万6099件。過去15年で最も多かった18年(2万6120件)の同期を688件上回る。昨年までは1日平均70件程度だったが、今年は75件を超え、8月に入ってからは80~120件台とさらに増加している。
 8月の出動件数のうち、コロナ陽性者の搬送は1日当たり6~25件。今年の熱中症による搬送者は24日までに219人に上り、昨年同期に比べ57人増えている。今年は1951年の統計開始以来、最も早い梅雨明け発表となり、梅雨の期間も17日間と最も短かったことなどが影響しているとみられる。
 一方、救急車の到着後も搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」は1~7日の1週間に33件あり、新型コロナに伴う状況調査を始めてから最も多かった。その後も8~14日が23件、15~21日が32件と高止まりしている。
 同課は「全力で頑張っている状況。救急車の適正利用とともに、けがや病気の予防に努めてほしい」と市民に協力を呼びかけている。

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