「有田ウィンドウディスプレイ甲子園」 長崎総科大付、佐世保工が優秀賞

写真左から優秀賞を受賞した佐世保工業高の作品=佐賀県有田町、陶舗 大安成福堂(同校提供)/長崎総合科学大付属高の作品=有田町、藍土(同校提供)

 焼き物の里・佐賀県有田町の内山地区で九州3県の高校生が店舗のショーウインドーを装飾し、出来栄えを競う大会「第17回有田ウィンドウディスプレイ甲子園」があり、長崎総合科学大付属高と県立佐世保工業高の2チームが最優秀に次ぐ優秀賞に輝いた。長崎の若者の感性が、昔ながらの有田の町並みを美しく彩り、高く評価された。作品の展示は28日まで。
 内山地区は、国重要文化財の洋館や江戸時代の町家などが立ち並ぶ有田町のメイン通り。レトロな雰囲気が漂い、伝統的建造物群保存地区にも指定されている。同大会は、町の魅力を若い世代に知ってもらおうと有田観光協会が企画。今年は佐賀、長崎、福岡3県の6校14チームが参加した。
 各チームは割り当てられた陶器店などを下見して計画を練り、8月3日に展示作業を行った。審査員による作品審査や一般観覧者の投票などを総合して、順位が決められた。
 長崎総合科学大付属高は美術部の2チームが参加し、2年の粟田大斗さん、1年の山口瑚白さん、本村祐樹さん、小柳結愛さんのチームが優秀賞を獲得。有田焼のセレクトショップ「藍土」を担当し、同店オリジナルの楕円鉢が船の形に見えたことから「ノアの箱舟」をテーマに選定。布の配置を工夫して海や空を表現、愛らしい動物の箸置きを活用したりして飾り付けた。山口さんは「店の人に『高校生らしいディスプレイだ』と喜んでもらえた。初挑戦で不安もあったが、うれしい」と喜びを語った。

優秀賞に輝いた長崎総合科学大付属高の(左から)本村さん、粟田さん、小柳さん、山口さん(同校提供)

 同校2年の山井つばきさんら別の4人チームは、焼き物を使って秋の雰囲気を演出した装飾で特別賞を受けた。
 佐世保工業高は、建築科2年の松本瑞希さんと小川友菜さんのチームが優秀賞。昨年は生徒数人で臨んだが、新型コロナウイルス感染拡大で県外移動が制限されて棄権。再挑戦の今回は昨年のメンバーだった2人で焼き物を扱う「陶舗 大安成福堂」の装飾に取り組んだ。

優秀賞を受賞した佐世保工業高の(左から)小川さん、松本さん(同校提供)

 表情の豊かな猫の置物を主役にし、有田の町並みの素晴らしさを表現。耐火れんがの廃材などを塗り固めた風情あるトンバイ塀や、大イチョウの葉が舞う様子などを画用紙や段ボールを活用して作り上げた。松本さんは「一枚一枚ハサミで切り抜いた葉など、手作りでリアルさを出すことに強くこだわった。認められてとてもうれしい」と声を弾ませた。


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