「使わない銀行口座」を持ち続けることはリスクになることも。使わなくなった銀行口座を解約してみた

「学生時代にアルバイトをするときにつくった」「実家からの仕送り用だった」「新入社員時代に作ったけれど、転職した」などで、現在は使っていない銀行口座はないでしょうか。

もし今後も使う予定がなければ「休眠口座」になってしまう前に、解約するのも一案です。

今回は、筆者が実際に銀行口座を解約しまして、その体験談をお伝えします。


使わない「銀行口座」は、損をしないうちに解約を

筆者は仕事柄、そして個人的な興味関心もあり、いろいろ試しているうちに、銀行口座が10個以上になってしまいました。

とはいえ、10個の口座すべてが稼働しているわけではなく、預金残高が0円のものもあります。

少し前までは、ずっと使わない口座を持っていても特に問題を感じませんでしたが、最近は「紙の通帳を持っているだけ」「口座を持っているだけ」で手数料がかかる可能性がある時代となり、その動きは今後加速していきそうです。たくさんの口座を持っていれば、その分、手数料がかかるかどうかをチェックするのが煩雑です。

また、銀行と取引がなくなって10年経過すれば、「休眠口座」となってしまいます。休眠口座になると、自分の預貯金が即没収されるわけではなく、手続きをして引き出すことも可能ですが、少々手間がかかります。

そのため、「使わない口座」をずっと持ち続けることはリスクでもあります。自分が気づかないうちに、紙の通帳保有者に手数料がかかるようになった場合、なけなしの預金残高から、その手数料が差し引かれるようになるのももったいないこと。そこで、今後ほとんど使わないであろう口座をまず一つ、解約することにしました。

銀行口座を解約するには、まずはHPを確認

今回、解約をしようと思ったのは、20年ほど前に口座を開いた、A銀行の口座です。

10年ほど前までは大活躍だったのですが、自宅近隣で利用できるATMが減り、さらにサービスが改変されたことから、ここ数年は使わなくなりました。今後も使う見込みがないため、これまで大変お世話になりましたが、解約することにしました。

解約するためのステップは、以下の3つでした。

ステップ1 解約の注意点をHPで確認

口座解約の際の注意点は、銀行によって異なります。ネットバンキングでできるか、手数料がかかるかなどをHPで確認しましょう。

以下、いくつかの銀行のケースを見てみます。

a銀行の場合・・・店舗窓口でも、ネットバンキングでも口座解約可能。ただし、残高0円の口座のみ解約可能(残高があれば、事前に出金が必要)。解約の際の手数料はなし。
b銀行の場合・・・店舗窓口で本人による手続きが必要。ネットバンキングでは不可。解約の際の手数料はなし。
c銀行の場合・・・店舗窓口、電話、書類等で口座解約可能。書類で行う場合は、口座に530円以上の残高があれば、他の銀行への振込手数料が529円かかる。(出金するなどして、530円未満にすることがおすすめ)

※銀行によって異なりますので、詳細は各銀行のHP等でご確認ください。

筆者が解約したいA銀行の場合は、口座残高が0円で、投資信託などの残高も何もないので、「口座解約の手数料はかからない」とのこと。

ステップ2 「手続きフォーム」から解約をする

HPの「手続きフォーム」を確認します。

その画面に、「ちょっと待って」といわれるかのような、解約を思いとどまらせる魅力的な話がたくさん載っています。

他の銀行をいくつか見てみると、同じように書いているところもありますね。「ポイントが貯まりますよ」「セキュリティも安全ですよ」「ATMもたくさんありますよ」といった話に一瞬心が揺れ動きますが、やはりこちらの銀行は当面使わないであろうと思い直します。

今生の別れというわけではありませんし、また何か魅力を感じたら、再び口座を作ることもできますので、初志貫徹で口座解約に進みたいと思います。

ただ、よくよく読み進めると、このままWEB上で完結はできないようで、「まずは電話をする必要あり」でした。

指定の番号にかけ、口座番号や暗証番号などを入力して、オペレーターと直接話をすることに。平日でしたが夏休みの時期だったからか、オペレーターが出てくるまで、(当初予告があったのですがその予告通り)20分かかりました。スマホからかけていたので、途中で充電がなくなるのでは、という心配も少々ありました。

口座の状況を確認後、口頭で「住所変更などはないか」などのやりとりを行いました。待った時間は長かったですが、とても丁寧にご対応いただきました。電話で待っている時間も含めて、電話をかけてから30分ちょっとで終了。「何か書類等の手続きが必要になったら後日送りますが、問題なく完了した場合は、完了メールが届きます」とのことでした。

意外と時間がかかったので、余裕があるときに手続きをすることをおすすめします。

ステップ3 口座解約完了メールが届く

電話をした日から1週間弱後に「口座解約完了のお知らせ」というメールがきました。店頭の場合は、キャッシュカードは回収されるそうですが、電話連絡の場合は、自分ではさみを入れて破棄をお願いします、とのこと。

思い入れがあるカードですが、ひと思いに、半分にカットして破棄しました。

最後はあっけない感じでしたが、これにて無事完了です。

銀行口座解約の際の注意点

「この口座、もう使わないな」と思っても、勢いで解約してしまわないように、ご注意ください。「実は電気料金の引き落とし口座だったのに、支払いができなかった」などというケースがあるからです。

念のため、以下を確認しておきましょう。

口座振替にしているものがないか。給与振り込み、クレジットカードの引き落とし、住宅ローン返済、電気・ガス・水道など公共料金の引き落とし、その他サブスクの支払いなどを確認。何かあれば、事前に変更手続きをしてから解約を。

投資信託などの金融商品があれば、事前に解約または売却、積立中止をする必要あり。

子どもがいる場合は、子どもの学校や習い事等で使っている口座ではないかも、念のため確認を。

今回は、銀行口座解約についてお伝えしました。クレジットカードの場合は、有効期限があるので、定期的に新しいカードが届いて「このカード、もう使わないから解約しようかな」と考えるタイミングがあります。でも、銀行の場合は、キャッシュカードは基本的にずっと同じものを使いますので、口座を見直すタイミングがなかなかありません。

こちらの記事を読んでいただいたのも何かのご縁ですので、ぜひ一度、持っている口座の要不要を確認してみてください。

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