3年生、夏物語2022 vol.5 サッカー男子 苦い経験を糧に再び全国を目指す大分鶴崎

サッカーの全国高校総体で、全国の強豪校との力の差を見せつけられた大分鶴崎。県予選では5試合無失点だった守備が7失点し、得点は2に留まった。キャプテンの遠山隼都(3年)は「(対戦した東京代表の)帝京は準優勝したチームで、一人一人の技術、フィジカルの強さ、チームとしての完成度など、全てで上回っていた」とがくぜんとしたが、「学ぶべきことが多く、いい経験になった。(全国高校選手権大会で)再戦したい」と次の目標が明確になったようだ。

年末年始にある全国高校選手権大会に出場するために、戦力を維持できたのは大きい。進学校の大分鶴崎は毎年、6月の県高校総体を終えるとほとんどの3年生が部活を引退し、受験に備える。ただ、今年は12年ぶりに全国高校総体にしたこともあり、7人の3年生が残った。「1年生の頃から自分たちの代で鶴崎の歴史を変えようと話していた」(遠山)。

全国でのリベンジに燃える遠山隼都

残ったメンバーは主力として全国高校総体に出場しており、全国の厳しい戦いを経験した。中盤で試合をコントロールする増田真聡は「今までの練習では全国レベルに到達できない。意識を高く持ち、個々のレベルアップが必要だが、運動量でカバーできる部分も感じた。チームとして連動すれば通用する」と話し、得点源の川野竜聖は「足元の技術は及ばなかったが、1対1のスピードは負けていない」と、収穫と課題を感じた選手がいることは、チームにとって大きなプラスとなった。

何より「全国大会に出場するのではなく、全国で勝ちたい」との思いが強くなった。もちろん県予選で勝ち上がらなければ目標には到達できない。遠山は「トーナメントなので何が起こるか分からないが、天狗(てんぐ)になることはないし、謙虚に勝利を目指す」と慢心はない。

全国高校総体後は、2日のオフを挟み、県外遠征や地域の大会などの実戦を連日こなした。大分鶴崎はこの夏に大きな経験を積み、冬の大一番に向けて養分を蓄えている。12年ぶりの夏、冬連続全国大会出場を目指す。

全国高校総体に続き、全国高校選手権大会の出場を目指す

(柚野真也)

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