号泣する藤ヶ谷太輔 逃げて、逃げて、逃げまくる姿も 「そして僕は途方に暮れる」特報

脚本・監督を三浦大輔が務め、藤ヶ谷太輔が主演する、2018年にシアターコクーンで上演された同名舞台の映画化作「そして僕は途方に暮れる」の劇場公開日が2023年1月13日に決まり、特報映像とティザービジュアルが公開された。

「そして僕は途方に暮れる」は、自堕落な生活を送っているフリーターの菅原裕一(藤ヶ谷太輔)を主人公とした作品、長年同棲している恋人と言い合いになった裕一は、家を飛び出してしまう。その夜から、親友、大学時代の先輩や後輩、姉のもとを渡り歩くが、ばつが悪くなるとその場から逃げ出し、ついには母が1人で暮らす苫小牧の実家へ戻る。だが、母ともなぜか気まずくなり途方に暮れる裕一は、思いがけずかつて家族から逃げていった父と10年ぶりに再会する。「俺の家に来るか?」と父の誘いを受けた裕一は、ついにスマホの電源を切ってすべての人間関係を断つのだが・・・というストーリーが展開される。

舞台で作・演出を手掛けた三浦大輔が監督を務め、舞台と同じく藤ヶ谷太輔。6年ぶりの映画主演作となる藤ヶ谷は、「日々しびれ、追い込まれ、鍛えてもらっている」「あんな限界を迎えたことはない」と、心身を削った撮影について語っている。

特報映像では、藤ヶ谷演じる主人公の裕一が、逃げて、逃げて、逃げまくる姿が映し出されている。舞台とは違い映画では実際に移動し、果ては北海道の苫小牧まで逃げ続ける主人公の姿には、一風変わったロードムービー的な側面も垣間見える。映像のラストでは、「面白くなってきやがったぜ」のナレーションに、なぜか大号泣する菅原の姿が映し出されている。ティザービジュアルでは、あらゆる人間関係を断ち切って世界中で1人になってしまった裕一の姿が大きく写し出され、“途方に暮れる”あいまいな表情が切り取られている。

特報映像 YouTubeリンク:https://youtu.be/_hy7-sHMtSQ

藤ヶ谷太輔と三浦大輔監督のコメントも公開された。コメントは以下の通り。

【コメント】

■藤ヶ谷太輔(菅原裕一役)
僕が演じるフリーターの菅原裕一は、自分がいやだなとか耐えられないなと思う度に逃げていくんです。
すごいクズなんですけど、それができるって意外にかっこいいのかなって。みんな逃げたいと思うこともあるけど、結局その先のことを考えてしまい、理性が働いて逃げられない。でも、人間誰しも逃げたい瞬間とか、行きたくないこと、出たくない連絡ってあると思うんです。そこを断っていくと、最終的にどうなるのかっていう…。
物語の前半は、裕一のことをこいつクズだなぁって鼻で笑っていたけど、だんだん「あれ?これ自分にもこういうところあるかな」とか思えたりする。人間の中には、どこか今まで逃げてきたこととか、避けてきたことがあって、そこに罪の意識みたいなものがあるのかなと思います。三浦監督はそこの深いところを描いて、突いてっていう…やっぱり三浦監督ワールドですよね。
完成した映画を観たとき、なかなか自分では俯瞰で観られなかったんですけど、撮影現場にいらっしゃらなかったスタッフの皆さんの笑い声を聞いて、やっぱりこの作品は、内容的にも、キャラクター的にも、笑えるほど滑稽なクズっぷりがしっかり描かれているんだなと感じることができました。
この作品を舞台でやらせていただいたのは4年前なんですが、映画化が決まった時に三浦監督から「舞台のときから、振り返った表情とかを映像に撮りたいと思っていた」と伺って…。映像になると規模感も大きくなりますし、逃避劇っていうんですか、それがすごく表現できているんじゃないかと思います。実際に、長い時間、長い距離走りましたし、何度撮影から逃げたいと思ったことか(笑)。現場では、時間もそうですが、精神的にも体力的にも、今までにないくらい追い込まれたので、そういうことも、僕が演じた裕一と重なって描かれていればいいなぁと思います。監督にも「本当に自分自身も追い込まれているところが、ちゃんと映像に出ているから安心して」と言っていただけました。
現場では、妥協が一切なくて、今思うといい経験をさせていただいたなというのもありますが(笑)、三浦組を耐え抜いた男として、誇りに思っています。チームで本当に頑張った作品ですので、より多くの皆さんに届いたらいいなって、心の底から思います。笑える箇所がたくさんありますし、共感できる箇所、反感を持つ箇所、たくさんありますので、とにかく色んな方に、気楽に劇場に見に来ていただきたいです。

■三浦大輔(脚本・監督)
映画が完成しました。とても過酷な撮影でした。キャスト、スタッフの皆様の尽力のおかげです。
心から感謝しております。
舞台から続いて主役の菅原裕一を演じてくれた藤ヶ谷くんとは、今回の映像化にあたり、「舞台よりもさらにいけるところまで、作品を描ききろう」と話しながら撮影に挑みました。その想いが、映画の中に刻まれていることを願っております。
映画と舞台の大きな違いは、撮影時に実景を目の当たりにできること。菅原は逃げ続けた末に、生まれ故郷の北海道にたどり着く……。藤ヶ谷くんに実際にその環境で演じてもらえたのは、菅原という人物を蓄積していく上でとても大きかったと思っています。
菅原は、どこにでもいる平凡な若者ですが、ほんとに些細なことからあらゆる人間関係を断ち、逃げて、逃げて、逃げまくります。そのクズっぷりを楽しんでもらいつつ、最終的に、「これは、自分の『物語』だ」と、皆様一人一人が思って頂けたら幸いです。
続報も期待してお待ち下さい!

【作品情報】
そして僕は途方に暮れる
2023年1月13日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2022映画『そして僕は途方に暮れる』製作委員会

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