岸田首相、国葬は「国会で説明」 閉会中審査に出席へ 逆風やむかは「内容次第」

岸田文雄首相(資料写真)

 岸田文雄首相は31日、新型コロナウイルス感染の自宅療養期間終了に伴い会見を開き、安倍晋三元首相の国葬を巡り「国会の場に私自身が出席して説明し、質疑に答えたい」と表明した。自民党総裁として党幹事長らに閉会中審査への出席に向けた対応を指示したという。国会内では「多少のサプライズ効果はあった」(公明党幹部)との評も聞かれたが、逆風がやむかは「説明の内容次第」(同)だ。

 自民は野党が要求してきた首相の国会出席に慎重で、交渉窓口である同党国会対策委員会は「松野博一官房長官の出席と答弁で十分」と突っぱね続けてきた。その一方で、官邸では内閣支持率の低迷などに危機感を強め、「反転に向けた切り札」(関係者)として水面下で出席を検討。松野長官は定例会見で「総理出席の有無は国会で決めること」と距離を置くなど、サプライズの演出に腐心した。

 岸田首相は会見の冒頭発言で「国葬について国民の間にさまざまな意見があることは承知している。正面から答える責任がある」などと説明。「閉会中審査はテレビ中継が入るので、そうした場での見える形での説明の機会をいただきたい」と自身の前向きな姿勢を強調した。

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