【教えてサーカス よう太が聞く】斜めになった綱をどうやって歩くの?

マイケルジュニア・ハウズさん

 和傘を手にして、傾斜をつけた綱を上っていく「坂綱」の演技を見てすごいと思った。どうやって歩いているのか。

 使用する綱は麻でできており、直径約3センチ、長さ約16メートル。スタート地点から斜め約30度の角度で張っており、最も高い地点で約10メートルになる。演技する際には滑らないように足袋を履き、足の親指と人差し指の間で綱を挟んで進んでいる。

 成功の秘訣(ひけつ)は、重心を前にかけてバランスをとること。手に持つ和傘も、実はバランス調整に一役買う重要なアイテムだ。勢いよく差し上げれば、空気を一気に押し出すことにつながり、結果として発生した風によって体を起こすことができる。

 伝統芸である坂綱を始めて約4年になるが、今でも綱の上で緊張や迷いがあるとすぐにバランスを崩し、失敗してしまう。とにかく無心で渡ることが大切だ。私は演技中に流れる音楽を聞くことによって平常心を保ちつつ、集中力を高めるように努めている。

<マイケルジュニア・ハウズさん(22)=坂綱など担当>

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