車両故障や大地震発生…異常時の対応確認 JR九州が警察、消防と総合訓練

急病人の搬送手順を確認する参加者=佐賀県嬉野市

 23日の西九州新幹線開業を控え、JR九州は2日、車両の故障や大地震の発生を想定した総合異常時訓練を実施。同社や長崎、佐賀両県の警察、消防の関係者約170人が参加し、対応方法などを確認した。
 訓練は新大村駅-嬉野温泉駅間で実施し、7月に引き続き2回目。
 新幹線かもめが走行中に故障し運転不能になったとの想定では、故障車両に救援車両が駆けつけ、乗客を乗せ替えるまでの流れを確認した。車掌が車両間に幅約75センチ、長さ約175センチの板を架け、ロープを張って安全を確保。救援車両内では、移動した乗客に対し座席の案内や状況などがアナウンスされた。
 上り列車が新大村駅から嬉野温泉駅に走行中、震度7の地震が発生したとの想定でも実施。停車した車両からはしごで乗客を降ろし、嬉野温泉駅までの約100メートルを徒歩で避難させたほか、急病人などの搬送手順も確認した。
 同社の福永嘉之鉄道事業本部長は「災害が発生した際はJRの社員だけで対応することは難しく、長崎、佐賀両県の警察や消防と連携を確認できたことは収穫。課題も見つかったので、開業までに気持ちを引き締めて対応していく」と話した。

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