年間5.5万人増 新幹線開業効果でJR利用宿泊客 長崎県が試算

 長崎県は2日、西九州新幹線の開業効果として、JRを利用した延べ宿泊客数が2022年から25年にかけ、年間5万5千人増加するとした試算結果を明らかにした。県の観光統計などを基に算出。県総合計画(21~25年)では、延べ宿泊客数を基準値の836万人(18年)から年間55万人引き上げる数値目標を掲げており、その1割に開業効果による増加を見込んでいる。
 県議会観光・IR・新幹線対策特別委員会で、小林克敏委員(自民・県民会議)の質問に県観光振興課の明石克磨企画監が答えた。
 県は、西九州新幹線利用のターゲットとなる近畿地方、中国地方、福岡県からJRを利用して本県を訪れた人数が開業後に15%増えると推計。基準値の836万人のうち、これらの地域からJRで来県した人数に15%を乗じ、5万5千人と算出した。観光消費額は試算していない。
 10月から12月にかけては、JRグループと長崎、佐賀両県による大型観光PRキャンペーンを展開。各種交流サイト(SNS)やテレビなどでも「西九州」の露出を増やし、さらなる誘客に注力する。
 県は消費額が多い宿泊を伴う観光を促進する。明石企画監は「26年以降も新幹線効果を持続していけるよう、市町や民間事業者などと連携し、旅行者の満足度や利便性を高め、受け入れ態勢を充実させていく必要がある」としている。

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