口に筆くわえ、詩や絵を創作 「星野富弘 花の詩画展」80点紹介 島瀬美術センターで19日まで

詩が添えられた花の絵が並ぶ会場=佐世保市、島瀬美術センター

 頸髄(けいずい)を負傷して手足の自由を失い、口を使って絵を描くようになった星野富弘さん(76)の作品展「星野富弘 花の詩画展」が3日、長崎県佐世保市島瀬町の島瀬美術センターで始まった。19日まで。
 星野さんは群馬県出身。中学教諭だった1970年、クラブ活動の指導中に頸髄を損傷し、肩から下が不随に。72年ごろから、口に筆をくわえて詩や絵を描くようになり、友人らへの手紙に絵を添えると喜ばれたことから本格的に描くようになった。79年の初の作品展以降、国内外で個展を開いており、同市での開催は12年ぶり。
 同展は「佐世保星野富弘花の詩画展2022を開く会」と同センターの主催。会場には、サインペンや水彩絵の具で描かれた菜の花やツバキ、キクなどの花に詩が添えられた作品80点が並ぶ。「傷(れんぎょう)」という作品には「わたしは傷を持っている/でもその傷のところから/あなたのやさしさがしみてくる」との言葉がつづられている。
 2日に開かれたオープニングセレモニーでは、富弘美術館(群馬県)の聖生清重館長(76)が星野さんのメッセージを紹介。「作品展が少しでも地域の方の励ましになればと祈っています」と代読した。
 入場料は一般500円、大学生以下に加え、障害者手帳所持者とその介護者1人は無料。


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