4児の父プレゼンツ、俳優やタレント招いた特別授業 福井県で11月計画、コロナ禍の中学生に思い出を

俳優やタレントを招いた特別授業の実施を目指す北山政道さん=福井県小浜市内

 新型コロナウイルス禍で行事の中止や縮小が続き、我慢を強いられる子どもたちに思い出に残る授業を届けたいと、4児の父である福井県美浜町の男性が「特別授業」の実施を計画している。俳優やタレントを招き、「夢を持つ大切さ」などをテーマに美浜中学校と小浜中学校で11月に行う。福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス「ミラカナ」で9月末まで事業費を募っている。

 男性は、子どもや若者向けのイベントを企画・運営するNPO法人H.Assemble(京都府京都市)理事の北山政道さん。北山さんは、経営する福井県小浜市の会社の仕事や商工会議所青年部として活動する中で、俳優につてのある同法人の理事長と知り合い、2020年ごろから俳優を複数招いた子ども向けのイベントを嶺南地域で開催しようと構想し始めた。

 しかし、その矢先に新型コロナ禍となり状況は一変した。東京の芸能事務所で映画やドラマのキャスティング事業を行う女性が企画に理解を示し、実現に向け協力してくれていたが、21年夏ごろに新型コロナに感染。入院生活の末、同年11月に61歳で亡くなった。

 女性の弟が引き続き協力を申し出、北山さんは「思いに応えるためにも、必ずやり切りたい」と決意。コロナ禍が続く中、当初計画した大規模な内容は変更し、中学生に対象を絞って特別授業を行うことにした。

 北山さん自身、小中学生の子どもを持つ4児の父。修学旅行や運動会といった数々の行事が中止、縮小となり、子どもが表情を暗くする姿に心を痛めてきた。「苦しさをどう乗り越えて今があるのかをテレビで見るような人に話してもらい、この先子どもを支える思い出をつくってあげたい」と切実な思いを語る。

 美浜中と小浜中にそれぞれ俳優またはタレント1人を招き、講義や質疑応答を行う予定。

 CFの目標金額は70万円、締め切りは9月30日。目標以上に集まった場合は実施校を増やすことも検討する。3千~5万円のコースがあり、返礼として感謝メールと事業実施報告書を送付する。

 【ミラカナ】福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス。県内でさまざまなプロジェクトを始める人の資金調達を応援するプラットフォームとして2018年に福井新聞社、福井銀行、レディーフォーが連携して始まった。21年からは福邦銀行も事業に参画した。累計支援額は1億5千万円、プロジェクトの達成率は94%(22年7月末時点)。

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