高校生の芸術文化の祭典、第46回全国高校総合文化祭(とうきょう総文2022)は7月31日~8月4日、東京都内各地で計23部門の部門大会を実施し、全国約2万人の生徒がステージ発表や研究発表、作品展示などに取り組んだ。本県からは18部門と開会行事に参加した約330人が、日頃の練習や活動の成果を披露。新型コロナウイルス感染拡大の影響から、多くの部門で観客を迎えるのが3年ぶりとなった中で、生き生きと躍動した県勢の5日間を振り返る。
■方言は武器、個性
4部門に個人6人と3作品が参加した放送部門は、都道府県別の総合成績で全体2位に当たる文化庁長官賞を獲得し、本県のレベルの高さを示した。内訳では、最高賞の優秀賞をアナウンス部門の尾崎美雨さん(18)=県立大村高3年=、オーディオメッセージ部門の県立長崎工業高が受賞。朗読部門の黒川莉那さん=大村3年=は審査員特別賞に輝いた。
作品「つかってみゅーで、長崎弁」で受賞した長崎工業3年の伊福誠人さん(17)は「方言は武器や個性になることを伝えたかった。優秀賞を取れるとは思わなかったので驚いた」と喜びを語った。
弁論部門では「たかが折り紙、されど…」の演題で登壇した県立波佐見高3年の宮城楓さんが10位(優良賞)に食い込んだ。折り紙が大好きな宮城さんは、佐賀県の小学生が折り紙作品を販売した収益を寄付している活動を知り、思いを実行に移す大切さなどを痛感した経験を紹介。同校美術・工芸科で学び、昨年の県展で新型コロナを題材にした作品で県知事賞を獲得した自身の制作活動と重ね、作品を通じて誰かの役に立つ決意を力強く述べた。
■新聞は全校が入賞
書道部門は西海学園高3年の川野愛佳さんが特別賞。写真部門は県立佐世保西高3年の北村由依菜さんが奨励賞を受けた。将棋部門の男子個人戦に出場した県立佐世保南高2年の柏木智成さんは5位入賞。新聞部門(第26回全国高校新聞年間紙面審査賞)では、県立長崎南高が最優秀に次ぐ優秀賞(7校)、県立西陵高と長崎工業が優良賞、県立五島高が奨励賞となり、県内から参加した全校が入賞を果たした。
マーチング・バトントワリング部門とパレードに出場した県立佐世保東翔高は、昨年に続き講評者特別賞とグッドパレード賞を受賞。自然科学部門の生物で発表した県立長崎西高生物部は全国1位の最優秀賞に選ばれた。
■勇壮、伸びやかに
審査がない部門でも県勢は輝きを見せた。吟詠剣詩舞部門には県立佐世保北高3年の大藤朋佳さんと佐世保高専1年の岡孝太郎さんのペアが出演し、「日本の夜明け」をテーマに勇壮な舞を披露。器楽・管弦楽部門の県立長崎北高オーケストラ部や合唱部門の県立清峰高コーラス部は、プロのクラシック公演なども行われる本格的なホールで伸びやかに演奏し観客を魅了した。
清峰高コーラス部の近藤華部長は「こんなに大きな会場は初めて。緊張すると思ったがすごく楽しかった」と笑顔で語った。