近い将来起こるといわれる食糧危機を救う食品として注目を集めている昆虫食の試食会が8月28日、長崎県西海市大瀬戸町であり、フレンチシェフによる食用コオロギのコース料理を5組の親子16人が味わった。
同市西彼町で昆虫食の養殖、加工販売に取り組むBugsWell(バグズウェル)が「未来食を学ぼう~食用コオロギ飼育と昆虫食に触れる夏」と題して開催した。昆虫食が国連の持続可能な開発目標(SDGs)に貢献することや、命の尊さを伝えることなどが狙い。参加者は夏休み期間、学習のため自宅で飼育にも取り組んだ。
食材はバグズウェルが用意した。同社取締役でシェフの津本真砂幸さん(49)が腕を振るい、パルメザンチーズとローストしたコオロギのチップスや、玉ネギとコオロギパウダーのソースで食べる鶏もも肉のソテーなど5品を提供。コオロギをどのように使っているかや栄養価について説明した。
戸惑っていた子どももいたが、ほとんどを完食し、荒瀬亮雄君(8)=同市立ときわ台小2年=は「肉の料理が一番おいしかった。おなかいっぱいになった」と満足げ。母親の美佐子さん(42)は「昆虫食の時代が来るかもしれないことを考えると、飼育や試食を先駆けてできたのは、子どもにとっていい経験だった」と話していた。